昔から日本には「湯治」という習慣がありましたが、風呂で体を温めると、人間の体を構成している60兆個の細胞から「HSP(ヒート・ショック・プロテイン)」というタンパク質が産生されます。
このタンパク質は、細胞内の古いタンパク質を追い出し、傷ついたタンパク質を修復して、新しいタンパク質をつくり出します。つまり、人間の体は、温めるととても元気になる、ということです。
HSPは熱を加えた3日後にもっとも増えるという特性があるため、難しい手術の3日前に患者に加温療法を施して手術を成功させた、オリンピックのスキー選手に競技の3日前に全身加温を施したら試合で自己最高記録を出した、不登校の子どもを熱い風呂に入れたら元気になって学校に行き出した、という例もあるほどです。
HSPには身体活動を活発にする働きがあると証明されたといえるでしょう。