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たっくう投げ釣りと日々

大好きな投げ釣りと、日々の忘備録です。
最近物忘れが激しいのであります。

◇二日目の朝、ホテルロビーの待ち合わせは8時。この日は強い雨に風の予報が出ていたもんで、釣りはお休みにしたんです。昨日の夜、ホタテフライを食べながら、”朝晴れていたら近くで釣っても”、なんて言ってたんですが、夜コンビニへ行こうとホテルを出たらすさまじい風ダッシュダッシュで、ここは潔く諦めましたよ(^_^;)

 

 ホテルを出てまず向かったのは近くの護岸です。滋賀投友会の片岡会長が昨日の夜から北海道に入り、さっそく釣ってらっしゃるそうなのでまずはご挨拶ってわけですね。

 

 片岡さんにお目にかかるのは新年会以来でしたが、その再会が北海道というのもまた面白いもんです。昔むかしの「関西の釣り」に執筆されていた頃はコワモテ、というか見るからにオラオラ系を感じてたんですが、実際に会ってみると常に気配りを欠かさない人間味あふれる方です。やっぱりひとの上に立つ人物は違いますね、と人生60年、とうとう人の上に立つことのなかったおっさんは遠い目をするのでありました。

 

 小雨がパラつく中でもどんどんカレイを釣り上げていく片岡さん-朝の数時間で20枚釣ったそうです-にサヨナラして、軟弱三人組は苫小牧にある超有名海鮮食堂(行列必至)、マルトマ食堂へ向かうのでありました。 

 

◇現地に到着した時間、少し雨は小降りとなっていましたが相変わらず強い風が吹きすさんでいます。こんな天気じゃ行列もないんじゃないかと思ったら大間違いあせるファッション的に大陸系と思われる人たちが20名近く並んでおられます。

 

 この行列にすっかりヘタレてしまった僕達は近くにあるテイクアウトの姉妹店、マルミ商店の開店を待つことにしました。

 

 上矢印このように僕らが並んだのは3組目だったんですが、このお店のシステムが少し変わっていて、お店に入れるのは2組まで。この2組のテイクアウト注文が片付くまで次の組は店に入れてもらえません。

 その上注文を受けてから料理を作る手際がいささかアレで、2番目に入店した僕たちが料理を受け取ったのは開店40分後でした。この時点で未だ4組しかハケていません。そりゃ行列もできるわな(・ω・)。。。。

 

 可哀想だったのは僕らの後ろに並んだ中国人女性で、この寒い中タンクトップ一枚でずぶ濡れになっとりました。きっと暑がり屋さんなんだとは思いますが汗関西人としてはオマエはアホかと突っ込むまでがデフォルトなのであります。

 

 海鮮丼を注文する気満々のワタクシでしたが、並んでいるうちに暖かいものが欲しくなってしまい、こちらも有名なホッキカレーをいただくことに。

 

 料理を受け取り、イートインスペースがあるという2Fへ行ってみますが、まるで雑居ビルの空き部屋のようなところでした。上矢印の写真は大滝秀治扮する老刑事が容疑者を落とすために注文したカツ丼みたいですが間違いなくホッキカレーカレーです。

 殺風景な部屋での食事になりましたがこのカレー、コクが深くてなかなかイケましたよグッ

 

 イートイン部屋からマルトマ食堂が見えます。さっきよりも行列が長くなってますね。

 

◇食事を済ませてからは道路を挟んで向かいにある海の駅「ぷらっとみなと市場」を見物したり、課長おすすめの激安海鮮市場へ行ったりして過ごしていましたが、珍しくカレイ課長さん、

”あのぉ~ちょっと寄りたいところがあるんですが。。。。”

 

なんでも500円で「かにめし」を食べさせてくれるお店があるそうで。

ただし店舗がちょっとアレでとても営業しているようには見えず、知らなかったら絶対に通り過ぎる店だといいます。

 

 こういっちゃなんですが僕はこのブログを始める際、投げ釣りブログにするのかグルメブログにするのかを大いに迷ったというくらいなので二つ返事でOKです。ウソですが。

 クサガッチョ師匠も地元の意地で、まだまだ食える!と豪語しておりますね(;・∀・)

 

 着きました。かに料理専門店「かに太郎」さんです。確かに店舗の裏手には廃材がうず高く積み上げられて、店舗のまわりも雑草が生え放題です。この時点で私の「カン」が何かを警告していますが、もう後戻りはできません。

 

入店可否を確認しに行ったカレイ課長さんがクルマにもどってきました。

”「何とかする」っていってますがどうします?”

いや、もちろんGOでしょ(゚д゚)!

 

 店内も建物外観に負けず劣らずの渋さです。僕の中の何かに刺さってきますね。僕はこうしてトリコになっていくのであります。

 

 

 窓の外は雄大な太平洋。。。。ではなくて廃材がうず高く積み上げられております。謎、謎、謎は深まっていくばかりですね。

 

 天井からメニューがぶら下がっていますが実際は”かにめし”500円のみ、しかも一日20食限定だそうです。カオスの店内と妙なバランスで溶け込んでいる洋ランの花瓶にはご主人に対する89歳のお祝いメッセージが書かれていました。

 

 ハイ、きゅうりはサービスね、といいながらご主人がかにめしを持ってきてくれました。言ってくれたら取りに行くのに。。。

 

 ご飯の上に乗っているのはどうみても豚肉です。

ただ、ほのかにカニの香りがして、紅ショウガと相まった不思議なハーモニーを醸し出しております。初めて体験する味ですが僕は気に入りましたキラキラ

 

 よく見ると湯掻いた豚肉のなかにカニらしきものが混じっています。

 

 海藻の類に詳しくないので何か分かりませんが、この味噌汁は絶品でしたよ。何からとった出汁なのか訊いてみればよかったです。

 

 人間予想もしない出来事に遭遇すると言葉が出ない、ということはよくあって、三人とも何も言わず黙々と食べます。ごちそうさまでした、とお会計を済ませると、ニコニコしながらありがとうね、とご主人が店の外まで見送ってくれました。

 

 クルマに乗り込むと、カレイ課長さんがひと言。

”カニ、入ってました?”

”俺のはそれらしきものが入ってたよ”

”あれ、豚肉ですよね”

”うん、多分豚肉。。。でもほのかにカニの香りがしたよ”

”あれ、おじいさんの昼食用だったんじゃないかなぁ”

”そうかぁ悪いことしちゃったかもね”

 

 そうなんです、「かに専門店」でメニューがカニ飯しかない店に食材として豚肉があるのは明らかに変で、となるとご主人の昼食用だとしか思えません。

 入店時の「何とかする」というコメントは「(カニはもうないけどあり合わせで)何とかする」という意味だったんでしょう。もしかすると我々は図らずも「かに太郎のまかない飯」という激レア料理を体験できたのかもしれませんかに座かに座かに座

 

ちなみに普段は下矢印こんな感じ(写真はGoogleより)。タケノコがポイントですが、タケノコを切らした場合の「カニだけ」バージョンも存在するようで、とにかく出されたものを食べれば良いのです。

 もう二度と来ません、なんて口コミもありましたが、わざわざそんなコメントをSNSに書きこむひととは上手く付き合う自信がありませんね。

 

 やっぱり「普通の」かに飯も食べてみたいのでまた来たいです。でも釣りしてると来れないし、旅行ついでじゃこの周辺はなかなか通らないよなぁ。。。ん~

 

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◇ホテルに戻ったのは15時にならない時間だったと思います。実家へ昨日釣ったカレイを持っていくと、クサガッチョ師匠は片道二時間掛けて札幌へ向かいました。

 

 今日の夕飯は「マルミ商店」でホッキ飯の弁当をテイクアウトしているので、もう出かける用事もありません。

 濡れた服を部屋干ししたり、アマプラで「室町無頼」を観たり、大浴場で風呂に浸かったり、なーんとなく時間が過ぎていきます。10年前なら間違いなく夜の街へ繰り出しているところですが、今は明日の釣りに備えて体調を整える方が大事になりました。

 

 外は相変わらず強い雨が降っています。