ぎたろう軍鶏炭火焼鳥たかはし@五反田

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たぶん一時期は焼鳥屋としては
日本でも五本の指に入る予約の取れなかった店だと思う
誤解のないように言っておきますが
普通に美味しいことは美味しいです
ただ、それは町中のどこにでもある
普通の焼鳥屋として。
それ以上の何があるわけでもありません
この店が何故
予約が取れないほど大人気で話題になってるかというと
ご主人の高橋さんの経歴にあると思います
高橋さんはかつて駒沢の有名フレンチ
「ラ・プリムール」のオーナーシェフでしたが
それが突然店を閉め
三年間焼鳥屋で修行した後
この店を開いたのです
それで、元フレンチシェフの焼鳥屋として注目され
普通の焼鳥屋とは違うみたいな感じで話題となってるのです
しかしハッキリ言って
この店の焼き鳥に
フレンチシェフならではの技や経験が生かされてるとは全く思えません
メニューにはレバーのパテやプレーンオムレツなど
なんとなく元フレンチらしさを感じさせる品もありますが
それらもごくオーソドックスな味で
一般に食べられないようなレベルの品ではありません

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「シンプルな料理こそ難しいんだ!」
という意見もあると思いますし
それも一理あると思いますが
ここのオムレツなどに関しては
普通に洋食の基礎などが出来てれば
誰でも作れるレベルの品だと思います
親子丼も普通
確かにご飯の炊き方は上手だし
親子丼では珍しく炙った鶏肉も悪くない
でも、美味しく炊いたご飯の上に
玉子と鶏肉が乗ってるだけで
丼物としての存在意義がない

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ご飯と具のつなぎ役になるものがないのだ
タレの染みた玉ネギや長ネギなどがあれば
ご飯と玉子、鶏肉に一体感が生まれるが
それがなく
唐突にご飯の上に玉子とじ鶏肉が乗ってるだけなので
チグハグで一体感がまるでなく
これだったらご飯と具を別々で食べても変わりない
寿司で言えば、酢が存在することで
シャリとネタが一体となっているように
質の違う食材を合わせて一品の料理にするなら
何かでつなげなきゃいけない
鶏スープも鶏のダシよりも
匂い消しのネギなどが前面に出た
褒められる点が見つからないものですが
まぁこれは200円ですし鶏の余り部位を利用した
ついでの商品でしょうから良しとしましょう
誤解のないよう繰り返しますが
普通に美味しいことは美味しいんですよ
しかし、元フレンチシェフの店だからと
過大評価されてる部分は否めないと思います
フレンチとかの権威をありがたがる人達が
元フレンチだからと
手放しで絶賛してしまってるのでしょう
町場の普通の焼鳥屋さんと比べると
味は飛び抜けてはいないものの、
劣ってるわけでもなく
水準には達してると思います
ただし、ビールがグラス800円など普通の焼鳥屋さんよりは高めだし
雰囲気にやや緊張感があり
気軽に楽しめない点などを考えると
焼鳥屋としての評価は低いと言わざるを得ないかな
前述の通り
焼鳥屋以上の付加価値も感じないので
焼鳥屋としての評価しか出来ません
ご主人の高橋さんが何故フレンチを辞めて
この店を出したかは分かりませんが
もしもお客さんと対面で接しながら
細々と商売がしたくなり
普通の焼鳥屋の大将としての道を選んだのなら
元フレンチシェフの焼鳥屋として脚光を浴び
料理に過度の期待を持たれてしまうのは
不幸としか言いようがありません
しかし雑誌などマスコミで
シェフとしての経歴も明かされて紹介されてますし
価格やメニューなどから考えても
町場の焼鳥屋とは線を引いた店を目指しているのでしょう
そう考えると現時点では残念ながら
焼鳥屋としては水準並の美味しさだが、
値段がやや高めで
元フレンチの付加価値は感じないので
取り立てて行く理由が見つからない店だと思います
でも焼鳥屋はワインが全くない店も多いので
五反田にいて焼き鳥とワインを合わせたくなったときには
行ってみてもよいかもしれません

五反田でワインと焼き鳥を一緒に楽しめる度
☆☆☆☆