8/17(金)、ハトホル企画「声と音の交差点 vol.4~心に響く声の調~」。優希さん・たんじかおりさん・雪音さん・今井里歩さんの出演でした。

秋田犬(あきたいぬ)は名前だけは聞いたことがありますが初来訪。秋葉原に程近い岩本町が最寄駅でオフィス街に突然 犬のオブジェが現れる予想もしなかった場所にありました。かなりの歴史があるようで自分が不勉強だったようです。入口からの通路には無数のポスターが貼られ、しかも相当前から貼ってあるように見えます。ステージや内装は板に囲まれ、ログハウス基調で雰囲気はいいです。ステージにはアップライトピアノのほか、かなり使い込まれた機材が並びます。※犬のオブジェの後ろの看板は違う店のものです。

<優希(ゆうき)さん>大阪京橋出身Gt.弾き語り。小刻みに全国に出向き、47都道府県回ってそれぞれの県にまつわる曲を作ることを目標としています(目下27県とTwtterであります)。実直で自然体の親しみのある声。「ピリカ」「金平糖」「プラスチックなSOS」「青」「金のはりがね」「新しい歌」。「ピリカ」とはアイヌ語で「美しい」「きれい」という意味だそうです。北海道を訪れて作った曲。「金平糖」は仙台の花火大会を見て作った曲。夜空に輝く色とりどりの金平糖(花火)が上がる様子。夏らしく。「青」という曲は優希さんが岩手県の陸前高田に出向いたときに作った曲。青い空青い海。青の絵の具がいつも不足してしまう青の風景。3.11の思いも。悲しみから復興への前進を歌う。「金のはりがね」は恋人どうしの近い距離感を感じる。”他人どうしでも髪の匂いは同じ。小指の糸のつながり。クッキーの袋を止めていた金の針金で指輪を作った。明日にはゴミになってしまうかもしれないけれどそれでもあなたとの愛を誓う”。動画URL https://youtu.be/Z1T053isp_E  

北海道・岩手・仙台・大阪。全国を渡り歩き人と人との繋がりを大切にするアーティストだと感じました。@yuuki118_47

〈たんじかおりさん〉4月のチャイナ以来。ツイキャス配信も数多く、接点は結構多いです。今日は数ヶ月ぶりにライブが観られるということで密かに楽しみでした。ステージ備え付けのアップライトPf.での演奏。"こんばんわ 今日も心から楽しみにしておりました。秋田犬さん初めまして"と自己紹介を兼ねた歌。

1)3年目の誓い

2)Kagerou 

3)私が一番きれいだった時

4)新曲(題名不明)

5)mom

6)こころ

7)I'm home

ライブでしか演奏しない曲もあるので曲目は違っているかもしれません。1)たんじさんが音楽活動を始めて3年目に当たって音楽に向けた思いを綴った曲。”歌を歌っていきたい これからもずっと 売れるとか売れないとかでなく” 2)夏の風情を彩る夕暮れ時の景色が思い浮かぶ。"あなたの息吹" を感じる。3)以前のライブでも披露した茨木のり子さんの戦争の悲惨さとその時代を生きてきた女性の気持ちを衝撃的に描写した詩に曲をつけたもの。"私が一番きれいだった頃に街は瓦礫と化し周りの人が沢山死んだ。工場で 海で 名もない島で。 私が一番きれいだった頃 お洒落のきっかけを失くしてしまい 男達は挙手の礼しかせず私の心は硬くなる 戦争に負け 私は異国の音楽が入ってきて私はそれらを貪るように聴いた "  4)昨日作ったばかりの 今の率直な気持ちを描いた題名未定の曲。"今ここで私は生きている 沢山の人に支えられながら 私はここで生きている 歌を歌えることに喜んでいる"   5)これも以前聴いた曲。母親への感謝と愛を描く。"泣き虫なあたしを温かい手で涙を拭ってくれた 忘れかけていた昔のこと 愛はここにあり続ける 何が起ころうともあなたはあたしのママです" 6)今自身が思っていることをストレートに並べた言葉が詰まった曲。年齢とか女性であることとか仕事のこと恋愛のこと。自分の心に素直に生きよう "それが私の幸せ" 7)平和な日常があることの幸福感を歌う。"夕焼け小焼けで日が暮れて 〜 ただいま おかえり 〜 当たり前の中にある幸せ"  たんじさんに時間を止められたような、時間が止まってこのままでいたいと思わせるような ゆったりした、それでいて考えていることや思いの強さの表現を音楽で体感。たんじさんの曲は心にじんわり沁みます。@CentergJp

<雪音(ゆきね)さん>岩手県陸前高田市出身のシンガー。7年前に上京して間もなく出演したのがここ秋田犬とのこと。久しぶりに帰ってきてのステージで当時からの常連さんも多数お目見えだそうです。声のパワーがすごく、曲数を重ねるごとにエンジンがかかってきて声量がアップします。ソウルフルな声。その久しぶりの出演は東北で今日の企画者のハトホルの竹内氏と出会ったことだそうです。また陸前高田は今日の対バンの優希さんとの深い関係があります。「かけがえのない君」「奇跡のかけら」「愛のカタチ(中村つよしカバー)」「帰る場所」「You raise me up(カバー)」「君のいる未来へ」など。「愛のカタチは2007年に中村つよしさんが歌った感動的なバラード。それを雪音さんは当時からカバーで歌っていたそうです。近年カラオケ世界王者の海蔵亮太(かいぞうりょうた)氏がカバーでメジャーデビューを果たしたといいます。さすがに海蔵氏の名前は知っていたのでこのMCでハッとしました。「You raise me up」はCeltic Womanの有名な曲のカバー。対バンの今井さんも6/2西新井イオンのフリーライブでも歌われていたので耳に残っていました。「君のいる未来」ではプロジェクターで3.11復興と桜の花を合わせながらの画像をフラッシュさせながらの復興支援ソング。MCによると、このレベルの津波は1,100年前にも起こっていることがこの後の調査で判明したそうです。人類未曾有とか想定外とか言われるがそうではなかったと。自分に何ができるのか考えさせられる中、雪音さんの東北への思いが感じられるステージでした。@isechun

〈今井里歩さん〉初秋田犬でのステージは真ん中にKey.(Roland RD-300)これもかなり使い込まれてます)が設置されました。アップライトは使わないようです。

1)新しいキセツ-ミチ-

2)shine again

3)例えばそれが

4)今日も明日も

5)アルイテユケル

6)good day

Enc.ありがとう

1)Pf.の弾き語りから季節の移り変わりを描くような淡々としたリズムに合わせて。”新しいキセツがきて 隣にはあなたがいて他にはなにもいらない このミチを信じていく” 台風のあと酷暑が逆戻りし、うんざりしている中、久しぶりの涼しい日、それでも昼間は暑かった。少しずつ季節が変化している、時間というのはあっという間にすぎるものですねとのMC。2)アップテンポなナンバーを1曲。昨年のワンマンステージの作曲企画イベント中に完成した曲。過去にお客さんから募集した言葉を歌詞に盛り込み、仮歌の段階からステージ中で仕上げた曲。タイトルはその場でshine againと決まりそれが音源化されたもの。先日Youtubeでワンマンでshine again ができる様子を再度見てみたが、仮歌の段階で既に今井さんは曲を完成させており、その曲は歌詞も含め多くの人との協力で作られたことを表現するかのごとく、曲の構成がいくつものピースに分かれており、それが手と手を繋いだようになって1つの曲に融合され、ワンマンのバンドメンバーとの協力で完成した、そしてステージでお客さんの前でその場で聴いてもらうという「作る・演奏する・聴く」の3点セットがこの1曲に見事に体現されていると今思いました。3)久しぶりにセットに入る曲。”人は皆 帰らぬ日を抱いてる 喜びも悲しみも全部” 今を強く生きていこうという歌詞が重い(いい意味で)。4)結婚をした友人にお祝いを込めて贈った曲。友人としての目線とその旦那さんの目線と二つの視点で描いた歌詞とのこと。1番が前者”ほら 心を鳴らす始まりのベルが聴こえる”、2番が後者”これまでの話をしよう これからの夢を語り合おう”という言葉遣いになっています。5)今日は長めの40分の持ち時間ということでこの曲もゆったり。しんみりと心に入ってきます。”照らし照らされ生きています”というメッセージは、伝え届ける側とそれを聴く側との互いのリスペクトの上で成り立っていると感じています。6)初めての場所は初めてのお客さんも多めの中、今井さんの優しい歌声と決してポジティブ指向を崩さない歌詞はお客さんの心には届いたと思います。今日もgood dayはgod dayでした!@rihoimai

終演後は出演者全員登壇してインタビューコーナーでしたが、最初はなぜか今井さんが仕切っていたのが笑。そのあと今日の企画者である竹内氏が最後を締めました。今井さん、今日はKey.の演奏でしたが次回はアップライトのアコピで演奏してもいいんでは?ぜひお願いします!