2022年はコロナ禍による感染リスクとロシア・ウクライナ戦争・中国のゼロコロナ政策などの地政学的リスクが相まったコロナ禍3年で最も厳しい一年だったかもしれません。

 

年末の現時点においてもコロナ変異株の感染が収まりを見せません。特に、政策転換後の中国の感染拡大は途方のないレベルのようです・・・。

 

また、資源高・人手不足などで激しいインフレ(物価上昇)が続き世界経済は停滞を余儀なくされ、来年の成長見通しも大幅に鈍化しています。

 

ある勉強会で頂いた資料では来年(2023年)の欧州における経済成長率は0.5%しかなく圏内最大の経済国であるドイツはなんとー0.3%とマイナス成長でした。

 

コロナ禍の勝ち組であった巨大テック企業のリストラが相次ぐ米国は1%程度。低成長の常連国である日本の1.6%が良く見えるぐらいで世界経済は不況の入り口に立ったようです。

 

ウクライナ・ロシア戦争が突如終結する。あるいは、コロナ治療の特効薬が出てくればゲームチェンジはありえます。しかし、2023年も厳しい外部環境になる可能性が高い・・・経営を預かるものとしてそう考えるのが妥当でしょう。

 

少し話がそれますが、この一年はウクライナ・ロシア戦争に加え、台湾有事・北朝鮮の脅威など地政学的リスクが高まる一方でした。

 

しかし、その結果として国防の意識が高まってきた事は(個人的に)いい流れだと考えています。戦争や紛争のリスクを全て抑制できるほどに現代人は高等な生き物ではない。

 

むしろ取返しのつかない愚かな判断をしうる存在ではないか・・・間違っているかもしれませんが、私の現時点での認識です。

 

さて、今年は弊社にとっても厳しい一年となりました。インフレ・円安・人手不足・内食需要の低下そして作柄不良にも苦しめられました。

 

これらのネガティブ要因が全て揃った輸入果実のビジネスは特に厳しかった・・・。

 

とは言え、会社全体では赤字に沈むようなボロボロな状況ではありません。厳しい見通しではありますが、予算についても最終の四半期で達成できるチャンスを残しています。

 

ですので、2022年は強固になった事業のファンダメンタルズ(基盤)を実感した一年でもあったわけです。

 

これは売上の約70%が国産品という事業構成によるところが大きいと考えてますが、(それは)為替動向に関係なく10年以上前から顧客ニーズに応えようと努めた結果であります。

 

また、成長品目もあります。”アップルスイーツ”などのカットフルーツや”ほめられ南瓜”などのオリジナリティの高い付加価値商品は着実に売上を伸ばしています。

 

これらの商品もここ10年で商品開発から販売拡大まで注力してきました。

 

"We were on the right track" 

 

我々の辿ってきた道は間違いではなかった。過去10年の取組みが事業基盤を強固にしコロナ禍の3年間を乗り切る力となっています。

 

ですので、我々は目前の課題解決と同時に10年後に結実するような商品や事業に今取り組んで行かなくてはなりません。

 

実はこの一年でも”10年の計”をもっていくつかの事業の種を蒔きました。詳細は時宜を得たときにこのブログでもお伝えします。

 

最後に今月上旬に3年ぶりの海外出張で香港に行ってきましたので感想を少し。

 

香港は主権となる大国に翻弄され続けた歴史があり今でも政治不安は大きいようです。言論と自由に対する抑制から最近の3年間で約20万人の人々が海外に移住したとも言われています。

 

また、コロナ禍により主産業である観光ビジネスが壊滅的とも言えるダメ-ジを受けており経済不況に喘いでいます。

 

つまり、政治・経済の両面で大きな不安を抱えているわけですが現地で出会った人々は皆たくましく、明るく、前向きにビジネスや事業に組んでおられた。

 

我々も香港人のタフなスピリッツ、そしてレジリエンス(回復力)を身につけたい。

 

そして来年がどのような状況になろうとも挫けず、折れずさらなる企業成長へ着実に歩を進めて行きたいと考えています。

 

それでは少し早いですが皆様、本年もありがとうございました。良い年末・年始をお過ごしください。