半導体商社最大手マクニカの創業者である神山氏の著書『経営の本質』を読了。まさしく経営のエッセンスが盛り込まれた学びの多い良書でした。

 

現在、半導体不足が深刻で大きなニュースになっていますが、好不況の波が激しいのが半導体業界の常。

 

景気に大きく左右され、また業界内のM&Aが活発で突如として勢力地図が一変することも頻繁と聞きます。昨日まで最大のクライアントであった企業が今日にはライバル企業の傘下に入るなどのケースも・・・。

 

そのような激しい変化が続く環境下でマクニカ社は創業以来一度も赤字がなく半世紀もの間、コンスタントに業績を上げ半導体商社としてナンバーワンの地位を築きました。

 

不肖、私が同書を手に取った理由はそこにあります。現在の外部環境は実に厳しい・・・コロナ禍は収まらず全世界でインフレ・円安そして不況の足音さえ近づいています。

 

台湾有事や北朝鮮の脅威など戦争・紛争に巻き込まれるリスクも高まっているとも言えるでしょう。

 

しかし、どのような環境下においても一定の業績を叩き出せる企業、それこそが当社が目指す”エクセレントカンパニー”であり神山氏の経営論から学ぶべきところが多いと考えます。

 

事業は人がすべて、シンプル、オープン、フェアが会社を強くする、方針や計画は必ず明文化する、人材採用は(経営者自ら)全身全霊で行う、環境整備(5S)が大切である・・・。

 

いろいろご紹介したいあるいは備忘録として記しておきたい事がありますが、現在の当社に(特に)必要性を痛感したのが、マクニカ社が創業以来黒字を続けてきた要因の一つという『ひまわり経営』

 

ひまわりは常に太陽の方角を向いて咲く。ビジネスも陽の当たる場所に移動していくべきだという考え。

 

要するに今後の成長市場・成長分野あるいは(業界を激変させる)次のテクノロジーなどを常に探す努力をしなければいけないという事。

 

言い訳になりますが、コロナ禍のステイホームでどうも新しい情報への感度や好奇心そのものが弱くなった気がしています。ここは私自身も反省し修正していかなくてはなりません。

 

『足元に種を蒔き続ける』

 

今日、稼げているビジネスでも5年後には稼げないかもしれません。会社が持続的に成長するためには事業の種を蒔き続け、新しいチャレンジを続ける以外に方法はない。

 

事業の種ではありませんが、家電メーカーのエクセレントカンパニーとも言うべきアイリスオーヤマ社は年間1000点の新商品を生み出していますが、同業界の老舗企業であるパナソニック社は300点しかないと聞きます。

 

最近のアイリスオーヤマが1兆円企業に迫る大躍進を遂げている事は周知のとおり。新商品・新規事業の出力を高める事が企業の活性化にもつながり持続的な成長へ導いていくのでしょう。

 

『経営とは生き方そのものである』

 

企業は数字だけを達成できればいいもでのはない。経営とはまさしく渋沢栄一氏の『論語と算盤』であり、社会貢献と利益追求のバランスを取る事と仕事を通じ人格を磨いていく事の大切さを説いておられます。

 

他にも経営者仲間との付き合い方、出処進退に対する考えも神山氏の人生観が色濃く反映されており勉強になりました。

 

『経営の本質』は経営指南のバイブルの一冊としてこれからも読み返して行きます。