『突き抜けるまで問い続けろー巨大スタ-トアップ『ビジョナル』挫折と奮闘、成長の軌跡』を読了

 

クラウドを活用した会員制転職サイト”ビズリ-チ”を運営するビジョナル社は今年最大のIPO企業。

 

ビズリーチ!のCMはインパクトがありますね。

 

同社の直近の業績は売上が約2,700億円、経常利益は約24億円。時価総額は約2,600億円で、IPOして半年ですがマザーズ市場の4番手につけています。

 

人材業界、HR業界の最大手は言わずもがな、元祖ベンチャー企業であるリクルート。時価総額は12兆円に迫る今や日本を代表する企業です。

 

新進気鋭のビジョナルの成長意欲は大きくこれから業界の巨人リクルートにどう立ち向かっていくか・・・。

 

弊社も青果業界の中堅に位置し大手に挑んでいく立場。ビジョナルのこれからを大いなる関心を持って見ていきたいと思います。

 

この本はスタートアップを目指す人への良い教材でもあります。貴重な起業ノウハウ、事業戦略そして成長ステージに応じた組織作りについても書かれています。

 

勿論、不肖の経営者にも勉強になりましたのでノートした点をいくつかご紹介いたします。

 

まずは事業の着想には”問いを立てる力”が必要であること。事業アイデアが枯れないようにするには社会課題を解決するための問いを立て続けることであると南氏は言い切っています。

 

そして、”センタ-ピン理論”です。ボ-リングではセンタ-ピンを倒すとストライクが取れる。この課題さえ解決すれば事業が成功するというポイントが必ずある。それを見つけなさいという事。

 

センタ-ピン理論はバブル時代にジュリアナ東京を成功させた折口雅博氏が以前から提唱しています。

 

ジュリアナ成功のセンタ-ピンは美味い食事や豪華な内装ではなく”常に満員であること”だと折口氏は喝破しました。

 

ですので、賑わいが賑わいを呼ぶと考えオープン当初は赤字垂れ流しで無料の招待券を配りまくったという話です。

 

”事業と人はセット”。事業づくりにおける仲間の重要性そして強いチームは人で決まるという事。ビジョナルの南社長はITエンジニア、経営や営業のプロなどこれはという人物は自ら口説き外部から引っ張ってきます。

 

一度断れても自身が優秀で必要だと思う人材には何年越しも粘り強く交渉を続ける。事業を起こす際のチーム編成には労力を惜しまず

ベストメンバーを揃えるよう尽力する。

 

今併読している”ビジョナリーカンパニーZERO”でも偉大な企業になれるかどうかの鍵を握る最も重要な経営指標は『バスの重要な座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合』だと説いています。 

 

売上、利益率、キャッシュフローあるいは製品やサービスのレベルより大切な事はバス(企業・事業)に乗る人であり、座る場所であると・・・。

 

この点、不肖の経営者は反省することしきり。チーム作りの大切、適材適所や採用の重要性を再認識した次第です。

 

まだまだご紹介したい話がありますが、最後に南社長がメンターと仰ぐ楽天グループの三木谷氏から紹介された金言を紹介します。

 

アンレトプレナ-だけが世の中を変える(経済学者 ヨーゼフ・シューペンター)

 

この言葉の三木谷氏の解釈は”実業によってしか世の中は変わらない”という事。政治では変える事ができない・・・。

 

たしかにアップル・アマゾンなど5スターと呼ばれるIT大手GAFAMによりデジタル社会は急速に発展しています。夢の自動運転もテスラを代表とするモビリティ企業により実現されようとしている。

 

コロナ禍においてZOOM、TEAMS(マイクロソフト)、SLACKはビジネスの在り方を大きく変えました・・・。

 

我々も微力ながらも”食のカンパニー”として社会をより良いものに変えていきたい。

 

日本の食卓をより豊かなものに、そして人々の健康寿命が伸び人生をもっと謳歌できるような社会に変えていきたい。

 

学びが多く仕事へのモチベーションが上がる良書でした。