我々の事業領域である青果物業界で、弊社の収益力を高めるには流通業の立ち位置から川上か川下にビジネスを拡げていくことが有効であると考えています。  

 

現在の弊社は川上戦略に積極的に取り組んでいます。

 

昨今、川上戦略でよく見られるのは我々のような商社、あるいは流通会社が農業生産法人を立ち上げ、農作業全体のオベレ-ションや計数管理そして設備投資などの財務(ファイナンス)に関与する形態です。  

 

2004年に立ち上げた弊社の丹波野菜工房(兵庫のベビ-リ-フ農場)はまさしくこのタイプであります。 我々自身が生産者になり生産リスクの全てを背負っています。  

 

今年から我々が挑戦しているもう一つの川上戦略がコントラ事業(農作業受託業)というもの。  これは農作業の一部を我々が請け負うビジネス。  

 

例えば、弊社は播種と収穫そして選果の作業を担う。 生産者の方には施肥などの土作り、灌水(水遣り)や防除などをお願いする・・・・生産者と弊社の協業で作物の栽培に取り組むビジネス。

 

コントラ事業の目的は我々の知見と技術を農作業のオペレ-ションに生かす事で、競争力のある商品を作り出す事。 

 

そして生産者の方の物理的な負担を軽減することで栽培意欲を上げて頂く目的もあります。

 

これは私見でもあるのですが、青果物の農作業全般を見ると、収穫と選果・選別に大きな負担があるように思います。  

 

例えば、我々の主力商品の一つである北海道産南瓜は生産者の高齢化や労働不足等で生産量が減少傾向にある。 

 

我々としては販売量を増やしたいのですが、重量野菜である南瓜は収穫と選別が大変で生産者(農家)の方達からは敬遠されてしまう。

 

そこで、我々が収穫と選別を担い、さらには販売も引き受け再生産価格を保証します。

 

生産者の方は農作業の負担が軽減され且つ市況(売値)など気にしないで安心して栽培に専念できます・・・つまり栽培意欲の向上が期待できるわけです。

 

今年から弊社は南瓜専用の収穫機と南瓜専用の光センサ-を購入し北海道の産地で稼働を始めました。 収穫機は日本で初めて使用されるもので人力の数倍の馬力を擁するもの。

 

まだ試運転を始めたところでデ-タが固まっていませんが、かなりの省力化につながるでしょう。  また適熟期に一斉収穫が出来る事で品質の向上にもつながるはずです。 

 

光センサ-は全国で三台目となる希少な機械で、これにより食味(甘味とほくほく感の)によるグレ-ディング(選別)が容易になります。  

 

弊社の南瓜ブランド”ほめられかぼちゃ”の品質に対する信頼性も更にアップするものと考えています。

 

ご紹介した通り、川上戦略は機械設備あるいはビニ-ルハウスなどの施設への投資が必要になってきます。

 

ビジネスにはスピ-ド感が必要ですが、過剰投資となってはいけません。 ここは一歩づつ成果を確かめながら着実に歩を進めて行きたいと考えています。  

 

 

南瓜専用の光センサ-選別ライン

 

 南瓜ハ-ベスタ-(組立前:トラクタ-部分)