私が経営決定をおこなうようになってから半世紀以上が過ぎたが・・・・・究極的な成功を目指して事業を経営するこつは、かまどで何か料理をする時のようにやることだと言いたい。
原始的なかまどでは、火や薪や空気の流通その他の要素は自動的にコントロールされないから、絶えずすべてに気を配っていなくてはならない・・・・鍋から目を離さない。
時々出来具合を見る。 においを嗅ぐ。 指をつっこんで味見をする。 自分の好みに合うように、またすこし何を添加するかもしれない。
そしてそれが全体の中にとけこむのを待って、また味見をする。 それから同じことをもう一度。 もし何かが気に入られなければ、それを修正する。
何をするにせよいちばん大事なのは目を離さないことだ。 ほかのことに気にとられたりしていると、その間に煮えすぎたり焦げついたりしてしまうかもしれない・・・・
上記は「プロフェッショナルマネジャ-」(ハロルドジャ-ン著)から。 素晴らしい経営本です。 古い本ですが、時代が変わっても色褪せない経営のエッセンスに溢れた内容です。 今後も経営者である限りは何度も読み返すだろうと思います。
経営をかまど料理に例えたものですが、わかりやすい例えだと思います。 会社に良かれと思うアイデア(戦略・戦術等)を、なるべく混乱や動揺を生まないよう社内状況をウオッチしながらうまく馴染ませて行く。
経過を見て必要であれば修正・改善を加える。 時にやめる決断もあるかもしれません・・・微妙なさじ加減が大切。
鍋から目を離す・・・・これまでの経験側から、経営でも商売でも目を離すときに大体問題が起きますね。 青果物は特に品質の変化が激しいので、いい商品が着いたなあと思って安心して検品を怠けると次に着いた商品はぼろぼろだったりする。
在庫していた商品が急激に劣化し商品価値がなくなることも頻繁。 為替の変化もそう。 ちょっと目を離した隙に、急激に動き差損が発生・・・過去に何度かありました。
同書にてもう一つ紹介したい事はプロシェッショナルマネジャ-(経営のプロ)の覚悟。 プロである限りは結果(実績)が全てという事・・・身につまされる言葉です。
「覚えておきたまえ、実績こそ君の実在だ。 他のことはどうでもいい」
なんのかんのといっても、結局、会社とその最高経営者と経営チームの全員は、業績というただひとつの基準によって評価される。
スピーチも、晩餐会も、会議も、公共への貢献も、有力者や要人たちとの親密な関係も、すべて遠くに忘れ去られ、残るのはただ会社とその業績の記録だけだ。
似たような他の会社と比べて、その会社と経営者は何をやったか? その時どきの経済環境の中で、それはどんな業績を挙げたか?
業績というものを考える時、私の心中にあるのは、変化してやまぬビジネスの世界で長期にわたって持続する、そういった種類の成長と実績である。
今期もスタートして2か月が過ぎようとしています。 今のところ、まずまずの立ち上がりでしょうか・・・。 期初に立てた予算達成に向けしっかり歩を進めて行きたいと考えています。
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