”恒産なくして恒心なし” 


先日のTVで松本清張賞を取った山口恵似子さんの特集があったのですが、結構コメントが面白かったです。  この方は今年で55歳になります。 長い間の雌伏の時を経て脚光を浴びる事になったわけですが・・・・・その苦節を味わっている時にどのように精神を保ってきたか、淡々と語っていました。 


上記の”恒産なくし恒心なし”はその一つ。 これは孟子の言葉だそうですが、安定した仕事と安定した収入があってこそ精神の安定を得られるという意味。 


山口さんは現在もそうですが、11年間新聞配達の食堂に料理人として勤めています。 そして、”食堂のおばちゃん”として働き出し、安定した収入を得られるようになった後、精神も安定し創作意欲が高まったそうです。 


話が飛びますが、イチロ-選手が反復運動のように一定のル-ティンをこなしてから球場入りする事は有名です。 山口さんの食堂でのお勤めもそれなのかもと・・・・おそらく執筆を始める前のル-ティンなのでしょうね。 つまり、食堂における勤務も執筆活動の一つのパ-ツとなっているとうことでしょうか。 


また、山口さんは”細かいことを気にするな!”と下記のように言っています。


「人生短いですからね。人間どうあがいたって自分以上の者にはなれないし、自分以外の者にもなれないんですよ。等身大の自分で100%努力する以外に道は開けないんです。そこをきちんと踏まえていれば、余計な執着やプレッシャ-からは解放されるはずですよ」


達観した人生訓に学ぶこと多し。 


不肖の経営者としては、上期(の経営)はとにかく産地の天候に泣かされ続け近年にないぐらいのサウンドバッグ状態が続きました。 最近では台風などによる集中豪雨が痛かった・・・・・。 


まあ、しかし全スタッフの踏ん張りと地道な積み重ねで何とか土俵際で生き残り、下期挽回できるポジションにはあるように思います。 また、この逆風の期間に種を蒔いたものが芽を吹きつつあります。 


人生もビジネスも必ず逆境や忍耐を強いられる時がありますが、その時の精神の持ちよう、あるいは逆境時に何をなしたかによって、好調時に得られる果実に違いが出てくるように思います。  


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