NQNニューヨーク=滝口朋史】11日午後のニューヨーク外国為替市場で、円はドルに対して下げ幅を拡大し、一時1ドル=94円台半ばまで売られた。米政府高官が安倍晋三政権によるデフレ脱却の取り組みを支持する発言をしたと受け止められ、円売り・ドル買いが膨らんだ。一時は94円46銭前後と、6日に付けた94円07銭を下回り、2010年5月5日以来約2年9カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。


上記は取引先の金融機関からの為替情報。 円安がジリジリと進んでいます。 今の勢いでは購買力平価と言われる¥95/US$を突破し、遠くないうちにリ-マンショック前の水準である¥105/US$ぐらいまで到達しそうな気がしますが・・果たしてどうなるか。 


一日の為替の売買高は全世界で約4兆(約376兆円)ドルもあるそうですね。 為替市場は株式市場を超える世界最大の金融マ-ケット。 それは数え切れないぐらい多くの(大小様々な)機関投資家・個人投資家が、これまた無数ともいえる様々な思惑で投じたお金の累積でもあります。 ですので、”折込済み”という言葉があるように、決して政治・経済の変化に準じて動くとは限りません。 


つまり、その巨大な伏魔殿とも言える為替市場を、専門外である一個人が”予測する”、”見通す”のは到底不可能。 ですので、できるだけ”投機にならないようにする”が不肖、私の為替に対する基本的な考えです。 いまなら円安に振れると決め込み、決済予定額を遙かに超えるドルを購入する、あるいは円高への戻りを期待して商品決済を溜め込んでいくなどは言外の行為だと思っています。 


勿論、予め納品数量・価格が決まっており、現段階でも適正な利潤が見込めるビジネスなら決済予定分の予約をするのはOK・・・・しかし、契約販売の商習慣が馴染まない青果業界においてはそういう話は稀です。  

 

数年前に為替の金融デリバティブ商品を一年間の決済資金の5%に満たない額だけならリスクは極小と思い、また資金調達のポ-トフォリオ的観点からも少しぐらいの固定レ-トがあっても・・・・と購入したところ、ここ数年の超円高で結構痛い目に会いました。 高い授業料でしたが、おかげで為替に対する自分なりのスタンスが固まった気がします。 


為替では損さえしなければ儲からなくてもいい。 為替の動向を気にせずに・・・・現実にはそうは参りませんが、本業に集中できればベスト。 できるだけ(為替動向が)気にならないような施策を講じていく必要があると考えています。

   


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