『日本一社員がしあわせな会社のヘンな”きまり”』を読みました。 著書の山田昭男氏は岐阜にある未来工業㈱の創業者で、TVや雑誌などでもよく登場するいわゆる名物経営者(現在は相談役)。 真夏にク-ラ-代を節約するためにと、ランニング(下着)姿で出社しているシ-ンは何度かTVで見たことがあります。


未来工業は電設資材メ-カ-で年商約270億、経常利益約26億の堂々たる上場企業(名証2部)。 残業ゼロに加えて休日が有給を除いて年間140日と日本で最も休みが多く、すなわち(日本一)勤務働時間が少ない企業でありながら高収益を上げている事で常に話題になっています。


山田氏の経営手法は実にユニ-クで上記以外に、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は禁止、営業ノルマなし、あるいは800人の社員が働く上場企業ながら人事部がないなど事例を挙げるときりがありません。

 

山田氏がよく言う言葉が”横並びは嫌い、人と同じはだめ”。 常に考え必ず差別化するのが最も大切な経営方針。 一般的に日本企業は横並びが好き。 私もよくやってしまうのですが、スタッフから”これはどうしましょう?”と聞かれると、ついつい”他社ではどうやってる?”と同業他社や大手企業の事例を参考にしてしまう。 勤務時間・休日・服装・あるいは人事体系等々・・・・特に就業規則や職場のル-ルなどは安易に他社事例を参考することがしばしば。 


しかし、人間は環境の生き物。  他社と同じ職場環境を社員に提供すれば、他社と同じ発想しか出てこないと考えるのが未来工業。  未来工業の高収益を支えるのは、徹底した経費削減と価格競争に巻き込まれない独自性の高い商品群(意匠登録件数も常にトップ20以内)。 そして、独自性の高い商品は独自性の高い職場環境から生まれるという発想がベ-スにあるようです。 


この会社もES(従業員満足度)を大変重視しています。 ホウレンソウを強要しないのは権限委譲で(社員の)仕事の自由度を拡げるのが目的。 休日が多く勤務時間が少ないことに関しては言及するまでもありません。 


”常に考え差別化する”は弊社のような中小企業にとりサバイブするための云わば、生命線となる大切な思考軸であると考えます。


 




日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”/山田 昭男

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