2025年も年の瀬を迎えました。
 

かつて師走といえば、曇り日が多く暮れに近づくほど寒さが増すような感覚がありましたが、ここ数年はまるで11月の延長のような暖かい日も多く、気候そのものが確実に変わってきていることを実感します。

 

変化という点では、今年も大きく”時代が動いている”と感じさせられた一年だった思います。あくまでも個人的な意見ですが、特に2025年は昨年以上にAIが中心にあった一年でした。

 

年初からアメリカでは、アップル、アマゾン、グーグル、メタ、エヌビディアといった名だたる大手テック企業が、AI関連の巨額投資を次々と表明しました。

データセンターや電力などAI向けインフラへの投資額は、合計で1兆ドル(150兆円超)と異例とも言える莫大な金額です。

 

日本ではディーエヌエー社の南場会長が「AIにオールインする」「これからは10人のチームでもユニコーンが生まれる」と衝撃的な発言をされました。

 

人の数ではなく、AIをどれだけ使いこなせるかが企業価値を左右する時代が、すでに始まっているのでしょう。

 

秋以降は“知の巨人”と呼ばれるグーグルの動きが特に目立ちました。最新のAIモデル「Gemini 3」が高い評価を受け、生成AIの分野でも存在感を一気に高めています。

 

また、AI向け半導体ではエヌビディアの圧倒的一強が続くと信じられていましたが、グーグルが自社開発の半導体チップ(TPU)でその構図を揺るがし始めました。

 

つい最近まで盤石だと思われていた前提が、これほど短期間で変わる。テック業界の浮沈の速さには、あらためて驚かされます。

 

最近の講演でソフトバンクグル-プの孫正義氏は、AIバブルと言っている人達はSTUPID(愚か)であると言い切られた。

 

同氏も虎の子とも言えるエヌビディア株を全て売却しOPENAIなどのAI関連に全振りしています。
 

こうした流れを見ていると、AIはもはや一部のIT企業だけの話ではなく、世界全体の構造を変えつつある存在だと感じます。
 

そして、AIの到来は、静かに忍び寄るものではなく大きな地鳴りをあげながら、社会の仕組みそのものを揺さぶり、これまで当たり前だと思っていた前提を次々と書き換えていくのだと思います。
 

仕事の進め方、意思決定のスピード、組織の在り方、そして企業の競争力の源泉まで、大きく変わっていくでしょう。

 

勿論、AIはテック業界だけの話ではありません。むしろ、これまで人の経験や勘に頼ってきた産業、非効率や不確実性を多く抱えてきた産業ほど、その影響は大きくなります。

 

農業・青果の世界はその典型でしょう。

 

だからこそ、当社としても早急に体制作りを進めなければなりません。完璧な答えを待つ余裕はありません。走りながら学び、使いながら改善し、自社なりのAI活用の形をつくっていく。そのスピード感こそが重要ではないでしょうか・・・
 

AIが社会インフラとして待ったなしで到来し、静かではなく、確実に社会を変えながら進んでいく。

この大きな変化を脅威として見るのか、成長のチャンスとして捉えるのか・・・その分かれ目に、私たちは今立っているのだと思います。
 

本年も多くの方に支えていただき、心より感謝申し上げます。どうぞ良い年末年始をお迎えください。

 

 

 

 

 

先月21日、神戸にて創業50周年記念式典を開催しました。おかげさまで約360名もの皆さまにご来場いただき、盛大に節目の年を祝うことができました。

 

社員をはじめ、これまで支えてくださった多くの関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

 

式典では冒頭に「MVMの50年の進化とこれから」というテーマで、私からお話をさせていただきました。当社は常に市場の声を大切にし、時代の“フェイズ(節目)”ごとに進化を重ねてきました。

 

創業から約20年間は輸入青果の一本足打法でしたが、90年代後半からは国産青果物へ、そして近年は冷凍野菜へと事業領域を広げています。

 

同時にM&Aを通じて、大昇貿易(日本食の輸出会社)やポランオーガニックF(有機食品卸企業)をグループに迎え、海外市場やオーガニック市場といった成長分野にも積極的に挑戦してきました。

 

今年1月には、ニュージーランドを本社とするAOZORAグループと資本提携を結びました。同社は南瓜・りんご・玉ねぎ・ブルーベリーなどを扱う成長企業で、日本・韓国・ベトナムに拠点を持ち、インドや中東にも販路を拡大中です。

 

当社とは主力商品が重なり、今後はAOZORAグループとMVMグループが一体となって、アジアを中心にグローバル市場へ挑戦していきます。

 

2000年代に入る頃、当社は商社から一歩進み、“商社&メーカー”のハイブリッド経営に舵を切りました。

 

現在は、青森の「アップルファクトリー」、千葉の「アップルシード」の直営工場に加え、関西と九州の提携工場でカットフルーツの製造に取り組んでいます。

 

また、昨年完成した北海道旭川の冷凍野菜工場『北海道アグリフローズン』で製造する冷凍南瓜は、次の成長エンジンとして育てていく計画です。

 

工場だけでなく、MVMグループは全国に自社農園を展開しています。兵庫の「丹波野菜工房」ではベビーリーフを、沖縄の「あしたの農業」では南瓜と枝豆を生産。

 

北海道の「HOKKAIDO農業テラス」では半自動収穫機を導入し、効率的な大規模農業に挑戦しています。

 

さらに今年3月には、注目のスタ-トアップ企業である日本農業株式会社との協業により、青森でりんご農園を開園しました。

 

当社は50年を越えても持続的に成長し続ける“グロースカンパニー”を目指します。私たちのビジョンは「農産物業界のエクセレントカンパニー」。

 

時代の変化にしなやかに対応しながら、食のビジネスを通じて社会に良い影響と価値を生み出せる企業でありたいと思っています。

 

今後も本業とのシナジーを大切に、MVMグループ全体でのエコシステムをさらに発展させていきます。

 

そしてもう一つ、未来に向けて大切にしているのが「社員が胸を張って誇れる会社」であることです。これは10年前にも掲げた想いですが、今も変わりません。

 

社員一人ひとりが「MVMで働いてよかった」と感じ、自分たちが手がけた商品やサービスを誇りをもって家族や友人に語れる・・・そんな会社でありたいと心から思っています。こうした企業文化こそが、きっと次の50年を動かすエネルギーになるでしょう。

 

この50年を支えてくださったすべての皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。これからもMVMグループは挑戦と進化を続けてまいります。

 

どうぞ今後のMVMグループにご期待ください。

 

 

永年取引感謝式(海外のサプライヤ-の皆さん)

懇親会の様子


 

今年のチェリ-ビジネスも終盤を迎えてきましたが、一言で表現すると『しんどい年』でした(笑)。 天候、市況、作柄、為替など、ままならないことばかりで思い通りにいきません。


不肖の経営者はチェリーのビジネスにおいては、おそらく日本で最も長く関わってきたプレイヤーの一人だと思います(気づけばもう38年になります)。

 

しかし、どれだけ経験を重ねても、市場(マーケット)はつかみどころのない生き物。手応えを感じたと思った瞬間に、するりと逃げていく・・・そんなことの繰り返しです。

 

キャリアを積むにつれて、人は過去の成功体験や、そこから紡ぎあげた“勝ちパターン”や“方程式”に頼りたくなるもの。しかし、それが時に柔軟な発想を妨げる足かせになることもある。

 

だからこそ、固定的な考えにとらわれず、常に市場の声に耳を澄ましながら、小さな修正や改善を積み重ねることが大切ですね。

 

勿論、チェリ-に限らずですが、市場との対話に“終わり”はなく、変化に即応する柔軟さこそが、長くこの仕事を続けるための鍵なのでしょう。

 

話が変わりますが、今年もまた、想定を超える猛暑が続いており国内外の産地から異変が生じ始めたとニュ-スが入りました。

 

一部の地域では収穫時期や品質に影響が出る一方で、新たな産地の可能性が浮上したり、需給のバランスが大きく揺れる事で新しい商機が生まれる局面もあります。

 

そうした機会を的確にとらえ、柔軟に動く事が出来るのは、我々のような専門商社の本文です。ここは持ち前の商社機能を最大限に発揮し、新たなビジネスチャンスを捉え、価値ある提案に繋げて行きたい・・・

とはいえ、やはり最後は「市場との対話」です。日々変わる状況に目を凝らし、耳を澄ませ、ちょっとした違和感や兆しを見逃さずに動く。

そんな小さな積み重ねが、結果として大きな成果につながっていくのだと思います。