交通事故で不足している専門職 | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

交通事故・弁護士・HP の単語で検索すると530万件で、弁護士の総数は約4万人
交通事故・行政書士・HP の単語で検索すると73万件で 行政書士の総数は4万3000人
弁護士にせよ行政書士にせよ、両士業に於いてはその総数を軽く上回るHPが溢れている。
弁護士費用特約の普及によって、交通事故件数は減ったが裁判件数は5倍に増えた。
それでも約1万5000件。
行政書士の関与が可能な自賠責保険申請件数は10万件。
このうち、行政書士が関与している件数は一割未満であろう。
何れにしても、事件数・申請数以上の士業のHPがある事実に変わりはない。
交通事故において、士業は飽和状態であり、明白な過当競争状態だ。

さて、これだけの件数でありながら、圧倒的に不足している職種がある。
それは非保険会社系で一般人向けの交通事故の調査業務だ。

勿論、保険会社向けの調査サービスを提供する会社はある。

しかし、一般人向けのサービスを提供する事業者は極めて僅かだ。

そもそも、交通事故は行政が管理する道路で行政が許認可を出した車両が起こす。
行政文書を取り寄せるだけで、事故の8割は読み解ける。
これに加え、写真撮影・動画撮影・証拠保全
動画解析のように特に技術がなくとも、これらの一般人向けサービスは相当に不足している。
これだけ需要があるにもかかわらず、供給されないことは不思議でならない。
原因として考えられるのは、これらの業務が泥臭いからであろう。
汗と埃にまみれて動くより、机上で書類を書く方がイイに決まっている。
しかし、実務者目線で言わせて貰えば、交通事故に汗と埃はつきものだ。
机上だけでは事故は見えない。
物理的に汚れることを厭わないことが、交通事故実務者の必要不可欠の素養である。