運転手は何故、左折を断念したのか? 【京急列車衝突脱線事故】続報! | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

https://ameblo.jp/ishibashi-kantei/entry-12521331246.html

前回の記事の続報である。

車両の種別については推定で再現したが、車両の形状に相違があったようだ。

まだ、車種は特定できていないが、とりあえず下記の車両との推定で再現する。

最小旋回半径が9.9m→11.4mに条件を変更して再現した。

 

【右折できるか】

 まず右折については右に20度旋回した状態で路外に逸脱。

 この段階から切り返しを余儀なくされる。

 いわゆる詰んだ状態と言えよう。

 

【左折できるか】

 左折については車体の右前部が歩道から逸脱する。

 しかし、駅の出入り口付近には障害物がないため、物理的に旋回は可能だ。

 旋回半径を9.9m→11.4mの条件でも、前方の設備も回避できる。

 また、左右の標識もナントカクリアーは可能だ。

 以上の再現では左折は可能であった。

 しかし、この再現はあくまでも机上のものである。

 現地で、僅かでも判断を誤れば、左折は出来なかったであろう。

 道路の形状を正確に把握している人間など希である。

 正直、私自身が同じ立場だったら旋回できる自信はない。

 というか、パニックに陥って最善の方法を解っていても、実行できたかは疑問だ。

 再現の結果、左折は可能であったが、あくまでも机上の結果であることをご承知おき願う。

 

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 末尾になりましたが、このたびの事故でお亡くなりにとなった方には心よりご冥福お祈り申し上げます。

 また、おけがをされた方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。 合掌

 

 

 

FAL