交通事故鑑定の再現ドラマは何故高視聴率がとれるのか | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

昨日、テレ朝のテレビタックルで交通事故鑑定人特集を放映していた。
実は、私も出演の打診を頂戴していたが、都合が付かず不義理を働いてしまった次第である。
私を推して下さった、鑑定人の先生方を始め、番組スタッフにはお詫びの言葉もない。
この場を借りて謝罪する。

さて、交通事故鑑定人をテーマにした再現ドラマは何れも高視聴率を取っている。
私自身も、交通事故以外の他の事件も含め延べ8本、5人の役者さんに演じて頂いた。
交通事故に関しては何れも高視聴率で、二桁越えである。
どうして、このように高視聴率がとれるのか考えて見た。
その大きな要因が下記の三つである。

1 交通事故が誰にでも起きる身近な事象で視聴者の関心が高いこと。
2 勝訴・敗訴といった二分化という白黒付けやすいこと。
3 事故の発生から解決という起承転結が完成すること。

私は、鑑定業務を行っていく上で、視聴者と裁判官の相似性に気づいた。
我が国の裁判は自由心証主義で、裁判官の心証、すなわち胸三寸という構造である。
これはテレビも同じで、視聴者の関心を得られなければチャンネルを変えられてしまう。
そこで、私は裁判官のチャンネルを変えさせないマストは何かに着目して鑑定に臨んだ。
また、エビデンスは共感が得やすいできるだけ身近なものを織り交ぜた。
意外と知らない法令や基準に基づくエビデンスも忍ばせた。

裁判官は法律のプロであるが、法令に基づく道路や車の構造には存外疎い。

知ってそうで知らない、道路にまつわる豆知識。
この手法は番組制作の思考フローと同型である。
マスト手法はそこそこ成功し、複数件の無罪判決や逆転判決に活かせた。
番組制作の監修などを通して培った経験が役に立った事は言うまでもない。


ところで、再現ドラマを複数本協力したが、このノウハウについては近々公開を考えている。
コンプラ回避・BPO回避・視聴者対策など目から鱗のノウハウの集合体だ。
メディア関係者向けの有料対応であるが、是非ご購入を検討されたい。


 

FAL