交通事故鑑定のお値段 その3 魔法の言葉 | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

よく聞かれるのが、交通事故鑑定にかかる金額は幾らかという問いだ。

実を言えば、交通事故鑑定とお値段に関する記事は3回目・・・

以前に2つの記事を挙げている。

https://ameblo.jp/ishibashi-kantei/entry-12191460916.html

https://ameblo.jp/ishibashi-kantei/entry-12191664079.html

 

鑑定は、概ね20~50万で相場がけいせいされていて、その金額に交通費等の実費が加算される。
そもそも、事故は二つとして同じ事故はない。
それを解明する鑑定業務とは、必要工数を積み上げるので事案毎にマチマチ・・・
一概に幾らとは言えないのである。

5万円で済むこともあれば200万円でも足りないことも・・・・
しかし、弊所の場合、鑑定総額が総損害額の10~20%以内という原則を設けた。
裁判に勝っても、鑑定で費用倒れとなっては元も子もない。
裁判費用特約がある場合を除いて、上限の原則は遵守している。


しかし、裁判という戦いで熱くなって理性的な説明が通じない場合がいくつもあった。
「金は幾らでも出すからやれ!」 
という御依頼人様・・・・・
通常、鑑定は一般人からは受けず、弁護士を経由させる。
しかし、弁護士の説得を押し切って我々と直接談判される御依頼人様も少なくない。
裁判というモノはたとえ人格者ですら当事者から冷静さを奪ってしまう。

そもそも、裁判とは争いだ。

当事者から理性を奪うことが争い事の本質なのかもしれない。


ただ、争いから自分を見失いかけた人をクールダウンさせる魔法の言葉がある。
「ご依頼いただければ、確かにウチは儲かりますけど・・・・・」
ウチは儲かる・・・・この一言を言うと、不思議と冷静に戻ってくれる。
他人が儲かる事を快く思わない人間の性分を逆手に取った説得だ。
しかし、これが通用しないことが一回だけあった。
この件については次回書く。