私は、仕事がら多くの煽り運転の事例を扱った。
ドライブレコーダーから速度を割り出したりという警察からの依頼である。
また、煽り運転を伴う交通トラブルで煽った側が死亡した事例も鑑定に携わった。
この件は、以前の記事でも書いたとおりである。
https://ameblo.jp/ishibashi-kantei/entry-12319400092.html
ところで、煽り運転の場合、かなりの高い確率で子供が乗った車が被害に遭う。
下掲は、理由にならない理由で家族連れに土下座をさせた男のブログ記事の引用である。
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【原文のまま】
俺が直線を爆走したところ、なんと強引に電気店に右折入庫する馬鹿がいて、
俺は危うく追突しそうになり、しかもロックがかかって転倒かますとこだった。
なんとか死にたかねーと思って立ち直したが右折が有り得ない・・・・・・まじで。
あれは、バイク来てるの分かってながら曲がってくるからな。
あやうく死・・・・・・。
俺は・・・すぐさま・・・・駐車場に停車する三菱のチャリオットに乗るクソ運転手を引きずりだし、
罵声かまして土下座させた。
なんかひ弱な30代の兄ちゃんだが、奥さんと子供出てきて、
平謝りかましてるから、車のボデイを蹴り飛ばしてエアロバキバキにぶっ壊して終了!!!
本当は、俺の先輩みたいに、フロントガラスとか蹴りで破壊したかったが、
さすがに22じゃ捕まってしまうからな・・・・・。
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この事件は、あまりの無法ぶりと臆面もない恫喝自慢からネット炎上に至っている。
今になって思えば、これがネット炎上の発祥であった。
この事件でも狙われたのは家族連れである。
さらに、冒頭で述べた2014年に町田で交通トラブルから死亡事件に至ったケースがあった。
恫喝した側が、相手の車にしがみついたところ急発進され頭を轢かれ死亡した事例である。
この事件では被告人は無罪となったが、トラブルの際には助手席に子供が乗っていた。
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私が事例として挙げた2例は公表されたものだけである。
しかし、公表できない事例に於いて、子供連れの車はあまりにも多い。
ところが、逮捕後には判でついたように 「子供が乗っていたとは知らなかった」 と供述する。
彼等が、煽る際に子供を認知していたか否かについてはわからない。
しかし、あまりにも多くの子供連れが被害に遭っている。
煽られた際に、子供がいれば、抵抗できないという弱点がある。
この弱点を見極めた上で煽っているのであれば、襲う側からすれば合理的な選択だ。
様々な事例を見てきた私には、敢えて子供が乗った車が狙われたとしか思えない。
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タイトルでは、「子供がいると知っていれば何もしなかった」の釈明は嘘! と銘打った。
この断定は私の主観であり、石橋被告人が子供を認知していたとする根拠はない。
しかし、その主観は私の職業的経験に基づくものであることを付記する。