鑑定してやる! と叱責されたハナシ | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

以前のことであるが、すれ違い様に車が擦られたことがある。

私は、停止して離合待ちだったのだが、すれ違い様に擦られた。

擦られたと言っても、コンパウンドで磨けば目立たなくなるくらいの傷。

中指を立てて、憤怒した表情を見せれば済むし、タイプの女性なら笑顔で赦す。

菓子折携え謝罪に来れば、コチラも大人げない対応を詫び、円満解決のパターンである。

しかし、相手様は丁度団塊世代程度のお年寄りで、私の車が動いていたと譲らない。

屋根を開けてドライブレコーダーを回しているのに、叱責調での暴言が続く。

挙げ句の果てには

「交通事故鑑定してやる!」

と捨て台詞を吐かれた。

私も耳を疑ったので後日ドラレコを再生してみると確かにそう言っている。

凄腕の弁護士も知り合いにいると、激昂した状態の発言も録音されていた。

コチラには高解像度のドライブレコーダーは付いているし、業務用の加速度計ロガーも装備。

幾ら凄腕の弁護士がててこようと、負ける気がしない。

すぐ裁判をチラつかせる、嫌な風潮というか、発想というか・・・・

凄腕の弁護士や、鑑定すれば自分が有利になると思っているらしい。

ところが、幾ら鑑定しようが凄腕弁護士入れようがダメなものはダメ・・・・・

テレビの悪影響であるが、鮮やかな逆転劇の番組制作に携わったのは外ならぬ私・・・・

責任の一端が私にもある。

こんな時は、保険会社するのが一番な事はわかるが、業界関係者からネタにはされたくない。

現に、調査中、私自身が車に轢かれても轢かれ逃げしたことがある。

それほど、保険会社の世話になるのは嫌なのだ。

しかし、保険に頼るのもやむなしか・・・と思案していると、知り合いの保険代理店から電話が・・・・・

とある交通事故の鑑定をして欲しいとのこと・・・・

タイミング的に嫌な予感しかしない。

話を聞いてみると、案の定、さっき車を擦った老人からの相談だった。