児童の列に車が突っ込むと
漏れなく報道されるから。
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単純な死亡事故は報道されたとしても地域欄の紙面で300字程度。
ニュースの扱いも、ローカルで30秒程度でしかない。
ただ、これはまだいい方で、新聞一紙が100字程度ということも・・・・・
同じ死亡事故であるが、メディアには被害者の属性によって歴然たるヒエラルキーが存在する。
報道の扱いにおける属性の序列は、以下の通りだ。
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・子供 (社会における関心が高い)
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・若い女性 (FBやインスタでがお写真が得やすい)
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・若い男性 (女性の次に顔写真が得やすい)
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・老人 (ただし、加害事故の場合は子供の次)
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========<超えられない壁>===========
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・オバサン (30代後半から怪しくなる)
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・オッサン (映像付きでないとローカルすら難しい)
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確実に報道されるのは若い女性止まりであり、それから下は報道されないことも少なくない。
また、重大ニュースがあると上位の子供ですら報道されないこともある。
オリンピックや、重大な災害など記事や映像が優先されるからだ。
特に、切実なのが最下層に位置するオッサンである。
よくよくの衝撃映像を伴っていないと平常時でさえローカルの扱いすら難しい。
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しかし、これが小学生の列に車が突っ込むと、死亡者が出なくても全国紙で1000字程度。
キー局でもトップニュースクラスで、ワイドショーも扱う。
数十倍の情報が発信されるので、視聴者・読者の印象に深く残る。
自動車があたかも、小学生の列に車が突っ込む習性があるかのように見えるのはこのためだ。
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ところで、交通事故実務者において一番緊急性を要するのがオッサンの死亡事故である。
これは、一家の支柱を失い、残された家族のために早急な生計維持の措置が必要になるからだ。
次に、オバサンといった具合であるが、実際の緊急性は世間様の関心と真逆である。
身も蓋も無いがこれが交通事故報道のリアルだ。