交通事故鑑定 依頼の方法1 | 事件鑑定人のブログ@鑑定人イシバシ

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私が事件鑑定人としてこれまで経験したことを書きます。
特定を避けるため、一部、ぼかしたりフェイクもありますが、概ね実体験です。

弊所は、原則として交通事故鑑定は弁護士からの相談を受任する。
鑑定書や意見書など専門性の高い書面について一般人から受任することはない。
弊所の作成する成果物は言い換えると、プロが使う業務用の製品である。
素人に使いこなせるとは限らないからだ。
 
以前、一般人に渡して、失敗したこともあった。
ある死亡事案であったが、その鑑定書を持って加害者宅に怒鳴り込んだのである。
その怒鳴り込まれた加害者、被害者側の手の内を洗いざらい知ることとなった。
結果的に不利益を被ったのは被害者遺族である。
我々が、交通事故の鑑定書・意見書を一般人から原則受けないのはそういう事情による。
 
ただし、士業以外に対して門戸を閉ざしているのではない。
一般人の方に対して提供するサービスは予備調査と証拠保全だ。
事故状況を整理するといった意味合いが強い。
この予備調査によって、鑑定の可否、効果の有無など概ね判断できる。
一般人の素人が、事故状況を弁護士に伝えるのは難しい。
しかし、これら予備調査の成果を弁護士に見せると迅速に状況の把握が可能となる。
鑑定を選択せねばならないのには、やむにやまれぬ事情であろう。
士業以外の一般人にもできる限り、そして条件付きであるが、相談に応じている。
 
概ね、話を10分も伺うと事情が見えてくる。
鑑定の必要が無い場合もあるし、逆に早急に手を打たなければならない場合もある。
また、残念なことに切迫しているのに何もお手伝いできないケースもある。
時、既に遅しという事案だ。
大丈夫だろうという素人判断が招いた悲劇というケースが圧倒的に多い。
事故という事象は一生のうちで何度も経験するものでない事はわかる。
そうであるが故、できるだけ弁護士などの専門家の話に耳を傾けて欲しい。