こんな記事がありました。
http://mainichi.jp/articles/20161207/k00/00e/040/223000d
抗NMDA受容体脳炎
女性を突然襲った難病 「理解深めて」家族が闘病の動画
ホラー映画さながらの症状 免疫に起因
抗NMDA受容体脳炎
多くの方はあまり聞いたことない疾患かもしれませんし、実際に私も学生の頃に習った記憶もないし、精神科医になってからも、長らく知りませんでした。。。
あの有名な映画「エクソシスト」のモデルになった疾患とも言われています。
ちなみに、以前、「エミリーローズ」という映画もあって、エクソシストと同様な症状を呈し、
いずれも、昔は原因不明だったので、悪魔祓いや祈祷がなされていた・・・という経緯があります。
ちなみに今でも、ごくごくたまーーーに、狐憑きだと言って、家族が祈祷師のところに連れて行った・・・というケースもありますが。
抗NMDA受容体脳炎 という疾患を知らなかった頃は、
この映画のモデル疾患は、ヘルペス脳炎<発熱、髄膜刺激症状(頭痛、吐き気、項部硬直など)、意識障害、けいれん発作、精神神経症状(幻覚、記憶障害、異常行動、錯乱、せん妄など)などの症状>かと思っていました。
(ヘルペス脳炎でも映画の症状に合致するような症状が出現しますので、完全に間違ってはいないような気もしますが・・・)
なので、割と急激に、幻覚妄想状態になって、錯乱、不穏興奮となった場合には、統合失調症の疑いで精神科に連れてこられる方もいますけど、
まずは、ヘルペス脳炎や、抗NMDA受容体脳炎などの器質的疾患を除外するために、身体科に精査をお願いしています。
精神症状を呈して、精神科に連れてこられたけど、脳出血やら脳梗塞やら、実はてんかんだった、とかっていうケースも少なくないので、初めから精神疾患と決めつけるのではなく、まずは器質的疾患を除外することが重要です。
なので、初診の患者さんは、必ず血液検査、心電図、頭部CTはオーダーしています。