高齢者の虐待の通報が増えています。
高齢者の虐待は年々増加しています。
通報があった件数をみると、令和3年には
2390件が報告されています。
前年からみると14%増加しています。
虐待とは、暴力などの身体的虐待だけでなく、世話の放棄、性的虐待、経済的虐待など様々な種類があります。
虐待をする人は大きく、施設の職員やヘルパー、擁護者(家族など)に分かれます。
やってる風の虐待防止の研修
施設は痛ましい事故を防ぐため、虐待防止の研修を行っています。2005年からは虐待防止法という法律も出来ました。
にもかかわらず、件数が増え続けています。
なぜでしょう?
ある施設で、虐待防止の研修も何度か受けました。
教育機関の専門家の先生が、感情をコントロールする方法などを分かりやすく説明してくれます。グループワークなどもあり、聞き流すだけの研修にならない工夫もされています。
最初はなるほどと思いました。しかし、何度か受けているうちに、これでは、現場では役に立たないだろうなあ、という感想になりました。
立派な先生は、実際に介護施設で働いたことがないのではないかと思います。
いつも、自分の親の介護の体験談をネタにする先生がいますが、24時間サービスのシフト体制で働いた事がない人には、その大変さが分からないと思います。
虐待は、一日の何時頃起きるでしょう?
そもそも、虐待やそれらしい言動が見られるのは夕方が多いのです。
早番の人が退勤し、ユニット(利用者10 人を単位とする広間)に職員が一人になった瞬間。
夕方で、職員さんにそろそろ疲れが出てくる時間帯です。
私が居室のシーツ交換をしていると、介護職員さんが、隣の広間で、失禁した利用者を𠮟りつけたりしています。
皆さん、疲れとストレスから、事に及ぶのです。
真夏ならば、蒸し暑い浴室で、入浴介助をしている際、入浴の拒否や抵抗にあって、思わず手が出てしまうのです。
冷暖房が効いた静かな会議室で行なう研修など、その場しのぎの気休めにしかなりません。
それより研修に人員をとられると、介護職員の人数が少なくなります。
介護の現場の労働条件がキツくなり、ストレスは高まります。
その大変さを、壇上の先生や、研修を企画した施設の管理者は、分かっているのでしょうか?
今度、虐待防止研修を受ける機会があれば、
質問してみたいと思います。
(ファイナンシャルプランナー、日本FP協会CFP認定者、介護職員向け実務者研修を修了)
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ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
最後に、
※ここに書かれているのは、筆者の個人の感想です。実際の介護助手の仕事は、個々の施設によって異なることをご了承下さい。