かあさんの下駄を聞いて、小学6年の頃を思い出しました。小学6年の1年間は僕にとって、忘れられない1年でした。5年から6年になった時、青木先生が他の小学校から転任して来たのです。その教師ぶりは、凄まじいものでした。体育の時間は軍隊式、授業はスパルタ式、少しでも態度が悪いとホッペタをはたかれました。今でも、その痛さは覚えています。特に印象に残っているのは、成績順に教室の中で一番から順番にならばされたことです。今もし先生が存在したら、大問題になっていたと思います。でも、そんな先生に刺激され、何と新聞配達を始めたんです。毎朝5時に起きて、朝刊を配ることは本当に大変でした。特に冬の寒い日は、凍え死にしそうで、何度もやめようかと思いました。犬が怖くて、引き返したこともありました。でも頑張って続けました。初めてアルバイト料を貰った時のことは、忘れることが、出来ません。ある日学校に行くと先生に「新聞配達してるんだって」と言われ、ドキッとしました。でも先生の顔を見ると優しい笑顔でした。「頑張れよ!」と力強く言ってくれました。小学6年の冬でした。ヒデアキ