最近、テレビのニュースでも登場するようになってきたDX(ディーエックス)。英語のデジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)に由来する言葉ですが、その意味は、デジタルを前提としたやり方で現在のやり方を再発明・再定義するということです。

 単なるコンピューター化やIT化、もちろん昭和の時代のOA化とも違います。テレビニュースの解説の中には混同して使われている場合もありますが、コンピューター化は業務プロセスは変更せずにコンピューターによって効率化・低コスト化を目指すものでしたが、DXは全体をデジタルを前提として、現在の業務プロセスを抜本から考え直してより大きな効率や価値を得ることを目指すものなのです。
 

 例をあげると、アマゾンや楽天市場のようなEC(電子商取引)サービスが典型的でしょう。それまではお店に行かないと買えなかった(行っても品揃えがなかった)ものが、自宅に居ながらにしてオンラインで買えます。これは買い物の仕方の再発明と言えるでしょう。
 利用者側はスマホとクレジットカードなどがあれば済みますし、事業者側はあらかじめデータベースに登録された製品情報(カタログ)を画面上に仮想に陳列することで、実際のお店を持つ必要がありません。


 新型コロナの影響でテレワークが社会常識になった感のあるオンライン会議もDXの一例と言っていいでしょう。それまで通勤・出社して会議室で会議していたのを、すべてオンラインでできるようになったのですから。

 

 このDXが実現されるには、スマホやパソコンのほかにデジタルオーディオ、デジタルカメラ、高度な画像処理、高速ネットワークなどが必要でした。一見、新型コロナによって出てきたように見えたかもしれませんが、それまでの40年くらいのデジタル技術の蓄積がそれを可能にしてくれていて、そういう意味では新型コロナの時代に「間に合った」というほうが正しいかもしれません。

 

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