テクノロジー(Technology)は、日本では「技術」と訳されることが多いでしょう。しかし日本語の「技術」だと、「技巧」や「職人技」などのように人間の手わざ的なこととして狭義に捉えてしまう傾向もあり、その本質を見誤っている場合も多いと思います。
テクノロジーとは科学技術のことです。
たとえば身近な例では、家電はテクノロジーです。車やバイクもテクノロジーだし、自転車だってそうです。もちろん、多くの人がいつも手にしているスマホもそうです。科学技術でできているものはすべてテクノロジーなのですから、現代の多くのモノはテクノロジーでできていると言っていいでしょう。
車はテクノロジーだと言いましたが、その車はエンジン、ギアやハンドルなどの部品からできていて、それらの部品はさらに小さなネジやボルトなどの部品で接合されています。実は、車を構成しているこれらのエンジンやネジなどの部品もまた、テクノロジーなのです。
テクノロジーは組み合わせや階層化することができ、それによってさらに高度な機能を持つテクノロジーに進化させることができるのです。
このことは、デジタルの世界のソフトウェアにおいてこそとても大きな意味を持ちます。ソフトウェアは文字通りに柔軟で融通が利きますので、組み合わせが容易で、その進化速度は家電や車などのハードウェア製品とは桁違いです。
改めて、皆さんの手近にあるスマホをよく見てみてください。基本となる電話のテクノロジーに加え、カメラのテクノロジー、オーディオのテクノロジーやコンピューターのテクノロジーなどが組み合わされて、スマートフォーンという高度に進化したテクノロジー製品になっているのに気づくことでしょう。
この、組み合わせが自由自在というデジタルの特性が、この数十年でIT関連製品をここまで進化させてきた1つの大きな原動力だと言っていいでしょう。
ところで、「十分に発達したテクノロジーは魔法と見分けがつかない」という格言をご存知でしょうか。『2001年宇宙の旅』などで知られるSF作家アーサー・C・クラーク氏が1973年に唱えた名言ですが、いまの時代に起きているデジタルによるテクノロジーの進化を予言したかのような、さすがの洞察です。
もし30年前にさかのぼることができたとして、その時代の人たちにいまのスマホを見せたら、きっと魔法だと言うに違いありません。
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