現在のメインシステムは、前回紹介したようにサブウーハーが常勤メンバーとして加わっている。それは村瀬さんのアドバイスからだったが、実は村瀬さんからは「サブウーハーもステレオにするとさらにいい」ということも聞いていた。それは、ご自身で自宅で実験した結果からなので、とても信頼できる話だった。それで、SX-DW7をもう一台調達してステレオ化することを密かに狙って、ヤフオクを眺めていた。
(ちなみにSX-DW7は次期モデルのSX-DW77になり、そのDW77もすでに生産終了となっており、中古市場でしか手に入らない。私は、このビクターのSX-DW7/77が日本一のサブウーハーだと思うので、生産終了はとても残念。
それから3か月、ヤフオクにやっといいのが出たので調達した。コーン紙に凹みがあったが、経験上、音に影響はないと確信し、格安(3万円)だったのでGET(写真右)。本当は色を合わせたかったのだが贅沢は言えない。
さっそく音出ししてみたら、ボーカルの第一声で驚いた。まだ調整前なのに、それも低音ではなく普通のボーカルでだ。うまく表現できないので思い付く言葉を並べてみるが、何か空気感、リアリティ、立体感、彫の深さのようなものを感じた。直感的に、これはいけると感じた。
それから、いろいろなジャンルの音楽を鳴らしながら調整を進めた。カットオフ周波数は最低がいいのがわかっていたので40Hzとし、あとは音量を追い込んでいった。
そしてたどり着いた音はすばらしいものだった。先に、WaveSpectraによるF特を紹介したい。最初が、メインのフルレンジ「コーラルBETA-8」+スーパーウーハー「Altec 515初期型」の合成F特。
次がSX-DW7単体のF特。
そして最後が3つを合成したF特だ(各グラフの音圧は一定ではない)。
このグラフで、DW7がカタログスペック通りに20Hzまで再生していて、全体として20Hzから18KHzくらいまで±10dbで再現されているのがわかる。
これまでもいろいろなトライ&エラーを重ねてきたが、今回の音はその最高領域に辿りついた感がある。最初に感じた印象が、より明確に具体化された感じだ。クラシックのパイプオルガンの重低音でその質の違いを感じられるし、バスドラムの余韻の音の深さが違う。そしてボーカルなどの中音域でも、立体感がありその輪郭や彫の深さを感じられた。
これまでは50Hzくらいまでは出ているのでいいと思っていたが、50Hz以下にこんなに情報量があり、人間の耳はそれをしっかり聴き分けてくれているとは。
音楽には低音が大事だということが、改めてよくわかった。
(fin)