第3278段 『相対性理論の敷衍による』28
昔、男ありけり。今も男あり。
その男、令和7年5月22日
その男の所属する立春知立短歌会の
五年ごとに発行する合同歌集の今回版の
『池鯉鮒Ⅳ』に『相対性理論の敷衍による』と題した
連作45首を発表し評価を世に問ひけり。
その連作の第28首目は
いづれにや 真実ひとつと 限らぬか
苦髪楽爪 苦爪楽髪
この歌の心は四字熟語の
苦髪楽爪とは苦労のある時は髪の毛がよく伸び
楽をする時は爪がよく伸びる との俗説を云ふ言葉なり。
苦爪楽髪とはその逆が正しと唱へる語にて
どちらが正しく
どちらが過ちなのか
その真相は「藪の中」とぞ覚えけり。