新編・伊勢物語 第2476段 鴨蕎麦は冬に限る 星原二郎第2476段 鴨蕎麦は冬に限る 昔、男ありけり。今も男あり。 その男、令和5年2月のこの冬の底と思しき日に 刈谷市の「天手古舞」へ行き名物の蕎麦を手繰りつつ 歌を どんぶりに 両手を添へて 温めつつ 鴨蕎麦食ふは 真冬に限る その男、大の蕎麦好きにして普段の蕎麦は 笊蕎麦、盛り蕎麦なれども この時期に限り温かき蕎麦を手繰るなり。 而して、手繰りたる後はその男の最上の褒め言葉である 「愛(い)しなり。また来やう」とぞ店主に伝へ 店を罷り出でけり。