第2455段 富士山大賞の優秀賞の作
昔、男ありけり。今も男あり。
その男令和5年2月5日
東京は中央区日本橋にある
日本橋劇場にて開催の
〈富士山大賞〉の授賞式に行きけり。
その男の富士山を詠みたる歌が、優秀賞を受賞なり。
その歌とは
機窓より 眼下の富士を 見せしかば
葛飾北斎 いかに描くらむ
歌の心は去る年、名古屋空港より
山形空港へ向かう飛行機の窓より
眺めての感慨を詠みたる作なり。
葛飾北斎は富嶽三十六景などを描きたる
江戸後期の天才浮世絵師にて
その三十七番目の富岳を描かせたき願ひの
募りての願望なり。
されどもタイムマシンなどに乗せて
現代に彼を連れて来ぬ限りは叶はぬ夢物語なり。
而して、授賞式にては歌人の東直子先生より
記念のメダルを授与させ、記念写真を撮影し
過分なる歌評を頂きその男を有頂天へと導きけり。