新編・伊勢物語 第2198段 春の日の空 星原二郎第2198段 春の日の空 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和4年5月のGWの或る日 堅気の人の多く出掛けければ その男、家にゐて歌を コロナにて 空を見遣りて 過ごすこと 増えて知りたり 空は美し 中原中也の詩集『山羊の歌』の中の 「夏の日の歌」の詩の一節に 「夏の空には何かがある いぢらしく思はせる何かがある」 があり、中原中也が夏の日の空に何かを 感じ取ったやうに その男は春の日の空に美なるものを 感じ取り眺め続けけり。