新編・伊勢物語 第2100段 死後の幸不幸 星原二郎第2100段 死後の幸不幸 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和4年1月の或る日 親しき人の身内の不幸を知り 「故人のご冥福をお祈り申し上げます」と 月並みの言葉にて伝へし後に 歌を 冥福を 祈ると云へど 本当に 死後の幸不幸 はたしてありや と詠み、仏教的なる世界観にほとんど無関心に 慣用語として用ゐる現代に疑問を持ちしかど 拘りたるなれば挨拶も満足に出来なくなる 恐れのあれば使用方法を肯ひけり。