新編・伊勢物語 第2045段 長篠城址の紅葉 星原二郎第2045段 長篠城址の紅葉 昔、男ありけり。今も男あり。 その男 令和3年11月下旬となり 奥三河の長篠城址へと行きけり。 此処は戦国の世に甲斐の武田と 徳川・織田の連合軍が合戦を繰り広げ 後の世に長篠の合戦と呼ばれたる歴史の舞台にて 広い設楽が原を駆け巡る様 浮かび来て歌を 武田方の 猛き武士(もののふ)の 雄叫びと 軍馬の嘶き 長篠に聴く と詠み、今まさに見頃の 城跡のいろは楓の鮮やかなるくれなゐを 見続けけり。