第二百十四段 銅鐸の謎
昔、男ありけり。 今も男あり。
その男、平成の或る年、銅鐸の謎の解明に
努めて過ごしければ歌を
偶然に のみ見つかりし 銅鐸の
謎に挑みて 三が日過ぐ
埋納の 謎は解けねど いにしへの
深き祈りの この形かも
中国に 朝鮮になく この国に
生まれしものなる 大き銅鐸
全国に 四百余りは 見つかれど
猶も眠れる 銅鐸あらむ
と 詠み わがふるさとの豊川より
発見されし三個の大型銅鐸を調査に
東京・上野の国立博物館へ行かむと思ひけり。