(息子の)イギリスの小学校事情② | 育児やら何やらバタバタしがちな日常 in イギリス

育児やら何やらバタバタしがちな日常 in イギリス

イギリスでの生活、子供たちのことなど。

 追記: アメブロに載せていただいたようで、事務局の方、読みに来て下さった方ありがとうございます😊



ただ、あの載せて頂いてなんですが、一言注釈を入れますと、クラス分けではございません。グループ分けでございます。


クラス25人で2クラス(1、2年混合)、つまり50人の子供をクラスに関係なく、国語と算数だけ進捗度で3グループに分けるのでござるよ。


—————————


その1

続きです。

 

で、ですね、私、このレベルによるグループ分けって、最初すっごい違和感あったんです。

 

だって一番下のグループの子達って、自分が一番下のグループって分かったら傷ついてやる気無くしちゃうんじゃないか、とか思ったんですよね。最初は分からなくても、だんだん自分のいるグループが分かってくるでしょうし。

 

しつこいようですけど、昭和の良くも悪くも横並びの教育受けてきた身としては。あせる

(だって私の頃なんて中学校とか11クラスとかあった時代ですよ!)

 

あとですね、この、遅れてる子を引っ張り上げるのもそうなんですけど、進んでいる子はどんどんどんどん伸ばす環境を優先、っていうこの考え方も、生徒間のレベルがどんどん開く一方だしさ。

 

でも、一年たってみて、あ、これはこれで合理的なシステムだな、と思うようになりましたの。

 

というのもですね、グループ分けの最大の利点として、一番下のグループへの先生たちのリソース(時間と労力と人員)が集中できるのですが、これは確かに効果的だと思ったからです。

 

 

というのも、これは近所に住んでいるお子さんの話なんですけど(通学途中で頻繁に顔を合わすので、ママさんから聞いた)。

 

このお子さんは、息子と同じクラスなんですけど、ご両親が非英語圏からの移住者で家庭内で話される言語が英語ではないのもあって、読み書きが結構遅れてしまっていたんですね。

 

で、学校からかなり早い段階で指摘されて、もちろん要努力のグループだったんです。

 

それが一年経ったら、本当に見違えるように上達したんですって。グッ

家で特訓したわけでもないのに。

 

たとえば、一番上の進んでいるグループにいる子達は、そもそも自主性を持って勉強できるの前提ですからね、生徒が何人いようと先生は常に1人です。

 

だけど要努力のグループだと、ベテラン先生と補助教員と臨時の補助教員(普段だったらリーディングの父兄ボランティアがいるんですけど、今年はコロナでしたから、臨時補助教員を増やしたんですよね。)は全員、このグループの投入されて、もうほぼ一対一で手取り足取り教えてもらえたらしいんです。

 

イギリスの(って別にイギリスだっけじゃないでしょうけど)小学校って、頑張ったご褒美的にすぐにステッカー(シール)もらって帰ってくるんですけど。

 

それも結果に対してくれるものではなくて、努力に対してもらえるものキラキラですからね、一番下のグループで努力している子にはこれでもかって皆の前でも褒めて褒めて鬼のようにステッカーもらって帰ってくるし、子供の自信にも繋がりますよね。

 

ちなみにそうすると、今度はできる子に対して不公平じゃないか、って思うかもしれませんが、できる子も特に努力をすればステッカーは貰えますが、基本的には

 

「あなたたちはもう十分上手に学習できるので、いっつもステッカーはもらえません。できるからといっていつもあなたたちにあげていたら、他の努力をしている子たちに対して不公平だから」

 

と説明されて、子供達は普通に納得しております。

 

そう考えると、

 

そうか。

逆に、遅れちゃっている子も進んでいる子も一緒のクラスを受ける方が無理があるのかも

 

そうやって色々な事情で勉強が遅れちゃった子が周りについていけない方がやる気をなくすよなあ。

そうだったら、早い段階で手厚いサポートが必要な子供を洗い出して、注力したほうが良いのかなあ、

 

とは思うようになりました。

 

 

 鉛筆  ラーニング・パートナー

 

授業はグループ作業がすごい多いんですけど、これは小学校ってこんなもんでしょうか。

 

大抵の作業はグループで行って、グループでできないような作文とか算数はラーニング・パートナーと添削しあいます。

 

このラーニング・パートナーというのは、ある程度同じレベルの子達を先生が選んで、学習用のパートナーとして組ませるんですね。

 

で、音読をするときはお互い聞かせあったり、作文は書き終わった後にお互いの作文を赤ペンで添削しあったり、算数もそうです。

 

学期ごとに変わるんですけど、今までさして交流のなかった子達とも一緒に組むことによって仲良くなったりするので、息子は結構楽しんでいました。

 

あと、パートナーっていう響きが好きみたい。音符

 

最後の学期のパートナーは特に気が合ったらしくて(またまたロンドンからの転入生なんですけど、ママさんも息子君も無茶感じよし)、よく見かけると道の向こうからでも「おーい、パートナー!」って呼んでて、相手もニコニコ手を振ってました。

 

2人とも同じレベルなんで、お互いの作文とかを添削することによって、自分の作文もクリティカルに自分で見直すことができるようになるし、何より、ほのかにライバル関係にもなりますから、お互いにお互いを意識して特に力を入れて学習に取り組むようになり、これは普通に良い企画だと思います。

 

この辺の共同作業は、協調性というよりは授業に能動的に参加するためって感じですかね。

 

イギリスの教育って協調性はあんまり求められていない気がする。

私の大学のときも思ったけど。

 

鉛筆 体験型

 

これは再来年Year 3になればガラッと変わっちゃうらしいですが、差し当たって今のインファント(小学校低学年)は、あんまり席に座って授業を受けている時間は多くなくて、色々と実際に体を動かして学ぶことが多いようです。

 

 

色々な物質の特質の違いをグループで談義中。

ちなみにWALTはWe are learning todayの略だったと思う。

 

これ息子、すごい好きなやつ。

お話を読んだ後に、即興でその話を皆で演じてみる企画。

劇にすることによって、このとき主人公はどう言う気持ちだったのか、とか実際に書かれていない行間を皆で読み取って議論しながら、劇にしていく感じ。

 

これはプログラミングの理論を実際にクラスメート同士でコマンドを出しながら体験する企画。

 

普通に楽しそう。

 

 

鉛筆 ホリスティック(Holistic 全体論的な、総体的な)アプローチ

 

和訳だと全体的なアプローチとなるんでしょうが、ホリスティックというのは、つまり個々の現象は相互に関連していて、全体との関わりにおいてのみ、真に理解できる、という思想でございます。

 

なので、個々の学習科目をそれぞれ独立して、分離した科目として学ぶのではなく、一つのテーマの元にどの学問も相互に関連し合うという、それぞれの「関わり」を意識して行われる感じ。

 

例えば、アメリカの飛行士アメリア・イアハートのことを学んだときは、彼女についての物語を読み、その当時の彼女の気持ちを自分なりに推測して物語にする国語、当時の社会状況や女性の置かれた環境などの歴史、それから地理、などをこの単元で学んだようです。

 

アメリア・イアハートの人生と当時の社会状況をまとめたポスター

 

あとは、これ↓なんかだと、子供たちが色々なものに触って材質の特色の違いを学んでいる化学でもあり、これに基づいて物事を描写する言葉(=形容詞)を学ぶ国語でもあり、人体の五感について学ぶ生物でもあり、って感じですかね。

 

 

もっと良い例がありそうなんですが、眠くて頭が回らない〜。

 

こんときの海の生物もそうか。

 

鉛筆 リテラシー

 

Year 1(一年生、日本より1歳若い5歳ー6歳児)のリーディングのテーマはInfer(推測)とPrediction(予測)でございました。

 

物語や詩の挿絵から内容を類推したり、行間を読み取って状況をや気持ちを読み取る練習、展開の予測など、リテラシーを高めるのが専らの主題らしい。

 

相変わらず、微妙な挿絵から物語の展開を予測する息子とパートナー。

でもこの微妙さは、多分わざとっぽいです。

 

正解が1つしかないんじゃなくて、もっといろんな自由な発想を促すのが目的かと。

 

これも相当微妙。

 

あとこれは学年の先生総出でノリノリで行われた授業で、

 

教室で犯罪が行われた!

っていう設定で、教室のあちこちにある手がかりから、犯人(これも先生がノリノリで演じたらしい)を見つけて、レポートを書くという授業。

 

 

 

あとは創作が多いですね。

ライティングに関しては、どの授業でも最終的にはライティングが入って来るんで、モノホンのライティングの授業は、詩や物語の創作が多いです。

 

物語の主人公ウィリアムになりきって手紙をかきましょう、という企画。

うちの息子、このときは興が乗っていたらしい。

 

これも先生が用意したフィギュア人形をあちこちに置いたランダムな写真を並べてお話を作る課題。

 

詩は家庭学習でも散々書かされた

 

鉛筆 算数も実証、実体験型

 

算数に関して言えば、数の概念を物理的に検証したりしながら、より高度な引き算、足し算、ごく簡単な掛け算の概念を理解することに注力した感じですかね。

 

これはファクトファミリーを実際に行っているところ。

 

ファクトファミリーというのは、

 

3+4=7

4+3=7

7-3=4

7-4=3

 

みたいな数の関連性のことです。

 

これは3Dの図形を集めているところ

 

これは分数を実際に集めたところ。

 

 

 

 

 

うちにもあるカウンター。

便利ですよね。

 

あと、やっぱりプロブレムソルビング、文章問題が多いっすよね。

あとは将来のコーディングを見越して、ロジック、規則性を学ぶやつ、あれも多いっぽい。

 

逆に、計算問題のドリルとかは全然ないんですけど、ちょっとはやった方がいいんじゃ、と思わないでもないです。

 

だって、ドリルなしだと、身につかなくないですかね?宿題もないし。

 

ちなみに、算数と国語は学期ごとにカリキュラムをクリアしていることを確認するための、アセスメント(小テスト)があります。

 

ちなみに、こうやって長々と書いてると、どんだけイギリスの教育すげええって思って満足しているかとお思いでしょうが、そうでもない。


やっぱり、カリキュラムなどの情報は共有してほしいし、

 

ここにもちょっと書きましたが、最近の傾向としてやけに詰め込みになってきて、嫌な感じ。

 

その割には、あまり学力の底上げという成果に結びついていないという。

 

先生たちはすっごい頑張ってて、素晴らしい先生に恵まれたあとは思うんですけどね。

国の方針としては、すごい勢いでよろしくない方向(エリート主義、詰め込み主義)に向かっている気がする。

 

 

 

こんな感じで、長々長長々長々長々書いてきましたが、

 

 

途中で死ぬほど飽きて後悔しました。(ダメじゃん!)

 

文章を読んでも途中から明らかにやる気が失せているのですが、最後まで意地で書きました。

 

次回からしばらく、もっと普通に日記的なことを大人しく書き流そうと思います。

 

 

最後グダグダですが、寝まーす。

 

おやすみなさーい。

 

 

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ
にほんブログ村