さて、すごい試合でしたね、Euro2020。
最初はダラダラ見てたんですけど、最後のペナルティは部外者の私ですら泣けてきた。
私、通常はイギリス(というかイングランド)のサッカーについては、非常にアンビバレントな気持ちで過ごしておりますの。
サッカーにすごく興味があるわけでもないし、別に自分の国の話じゃないしな。
いや、自分が住んでいる国の話だし、子供に至っては半分イングランド人なので、応援していないでもないんですけど、心の中で小旗を振っているくらいでしょうか。
そんな積極的にイングランド人に混じって、鼻息荒く
イングランド、絶対勝って欲しい!!!!
頑張れ!!!
…とかは思わないし、グッズを買おうとか、星に祈ろうとか、そこまでエキサイトはしないっす。
(今回はうちの息子がすごい応援してたし、夫もなんだかんだ言って真面目に見てましたけど。)
まあ、どの国にも関わらず、エスニックマイノリティーの移民っなんてそんな感じだろ。
ちなみに全然、話が脇道に逸れますけど、以前に我が事のようにUKのユーロビジョンの最下位に憤ってる日本人の女性に会ったことがあるんですけど、結構びっくりした。
こんな人もいた。
いや、人それぞれだから別にいいじゃんって言っちゃえば、それまでなんですけど。
でも、ユーロビジョンだよ!?もっと他にエナジー費やすべきことがあるんじゃ。
確かに、ユーロビジョンの次の日にはメディアで必ず、UKの負けっぷりが話題になって、ナショナリストがもうUKはユーロビジョンに参加止めるべき!、って言うのが恒例にはなっていますが。
でも、ユーロビジョンってBBCにとっては、リアルタイムだけでも英国の740万人が見る一大イベントですからね。
言うならば、歌謡祭みたいなもんですよ。
それを何故か日本人の方が、
「ユーロビジョンにあんなにUKが多額の資金援助しているのに、政治的なブロック投票で最下位なんて馬鹿馬鹿しい!
もうユーロビジョンなんて、参加しなくていい!」
とかガチで怒ってるのですよ。
え、なんで?
「私はもう感情的には(彼女の考えるところの)イギリス人と一緒なのよ、だってイギリスに住んでこんなに長いんだもん!」的なアピール(だからこの考え方が恥ずいんよ!)の一環なのかもしれないですけど。
逆にこの方、イギリスで馴染めないとか辛いことがあって、過剰適応してるんじゃないかと心配になってしまいましたん(意地悪)。
あと、今年に限ってはあのUKのパフォーマンスで最下位以外になると思う方が不思議。
Katrina and the Waves(イギリスがユーロビジョンで優勝した時のバンド)のカトリーナだってBBCの朝のニュースで、オブラードにあんまり包んでいない言い方で(ちょっと笑った)言ってたじゃん。UK代表、あんまり良くなかったよね、って。
まあ、話をサッカーに戻します。
このサッカーに対するアンビバレンスは、イギリスにおけるサッカーの位置付けに関係があるかな、とも思います。
だって、テニスなら、まあテニスって国っていうより個人競技だからていうのもありますけど、また感じ方も違うし、クリケットなら躊躇なくイギリス応援するさ。
サッカーは国民的人気スポーツゆえに、いい意味でも悪い意味でも、ナショナリズムと直結していますしね。
昔問題になったフーリガンとかもそうですけど、いい意味でも悪い意味でも、イングランド人のある種の側面を浮き彫りにするというか。
勿論、数多くのファンの内のごくごくごくごく一部に過ぎない、というのはわかっているんですけどね。
そうは言ってもすぐ過熱するせいで、一部の「サポーター」からは物議を醸し出すような、行き過ぎた言動を招きがちですし。
現在も過去もスタジアムで起きた人種差別事件や暴力沙汰をあげたらキリがありません。
ちなみに、当然のことながらサッカー(もしくはスポーツ)における人種差別というのは、勿論イギリスだけの問題ではありませんから、ヨーロッパの他の国でも、また世界各地でも様々な事件が起きているのですけど、よその国でも起きているというだけでイングランドで起きたことの免罪符にはなりませんし、私はイングランドに住んでいますので今はイングランドの話をしています。
で、何が言いたいかというとですね、
ムチャクチャ後味悪! > 一部の「ファン」によるペナルティシュートを外した三人の黒人選手への人種差別の誹謗中傷がひどい、
って、ことなんです。
インスタやらTwitterやらのSNSのプラットフォームでのヘイトスピーチが酷過ぎて、スクショのリンクを貼る気にもなれなかった。
もうSakaなんて特に、あんなに若いのに、彼がいなかったら最初のグループステージ通過しなかったんじゃないの?っていうくらいこのトーナメント中、大活躍だったのに。
まあ、この試合の前からなんか後味の悪さはあったんですよね。
ドイツ戦の後に、まだ10歳くらいのドイツの少女がスタジアムでドイツチームの敗北に泣いている写真についての中傷コメントがオンラインで出回ったり。
勝った側のチームの大人のサポーター達が負けたチームの子供ファン相手に誹謗中傷て!
デンマーク戦ではペナルティーの際にGKの顔に、イングランドのファンがレイザーペンを当てるという卑怯な行為があったり。
この決勝戦だって、チケットを持っていないイングランドファンが力ずくでスタジアムに乱入したり、イタリアの国歌斉唱中にはイングランド側からブーイングがまたまたあったし。
で、今度はペナルティシュートをミスった選手に対する人種差別による誹謗中傷。
ひどい。
ガーディアン誌の記者が、「近年稀に見る素晴らしいトーナメントに、スリリングでドラマチックな決勝戦。その次の日の朝に、(試合についてじゃなくて)人種差別についての議論をしなければいけない事態になったイングランド。なんてこったい。」って言ってたけど、本当だよ!
昨日の試合、勿論サッカーに詳しい人から見たら、試合の内容、監督の采配等、色々建設的な批判はたくさんあると思うんです。
でも、1966年以来初めてのメジャーな大会の決勝にたどり着く、という偉業を成し遂げた、この若いチーム(平均年齢が)とそれを率いる監督がですよ。本戦、エキストラタイム、ペナルティーを戦い抜いた結果の2位、って讃えられはすれ、人種差別の中傷被害に晒される謂れはないしな。
どっかのニュースのコメンテーターが、「スポーツと政治について何を言おうとも、現実問題として常にこのような非難されるべき行為をする一部の「ファン」は今までも常に存在するし、これからも存在するだろう」って言ってて、本当にその通りなんですけどね。
人種差別的発言がお得意のボージョー(ボリスジョンション首相)や、そのお抱えのパテル内務大臣のBLMに関するコメントを見てても、こういう人種差別的な中傷が起きる土壌はできていたわけでございます(しかもこの2人、今日誹謗中傷を非難するコメントを破票していたけど、微妙にマッチポンプだと思った。)。
ちなみにサッカー関係ないですけど、今年の3月には、政府のコミッションによる英国における人種差別、人種間の格差に関するレポートがでたんですけど、非現実的なくらい、ありえないくらい英国内の人種問題を過小評価していて、専門家、学者、ビジネス界から警察幹部にまで批判反論され大問題になったりもしました。
そんな世相を受けて、イングランド代表が、ルーマニアおよびオーストリアとのユーロ2020前の親善試合にて、人種差別に対する抗議としてBLM運動と連動して片膝をつくポーズをした際には、一部の観客からブーイングが起きました。
数日前には、どっかの新聞で「イングランドチームの全員がBLM(Black Lives Matters; アメリカで始まった黒人に対する人種差別に対する抗議運動)や人種差別問題に深い関心がある筈がないから、この片膝をつくパフォーマンスはチームでやらされてるか、何も考えないでただ周りに合わせてやっているに違いない」という頭の悪そうな記事も見ました。
違うんだよ、ユー。
別に選手が人種差別問題に深い興味があるかどうかなんていう話じゃないんだ。
今回の騒動がハイライトしたように、彼らにしてみたら自分たちのチームメイトが日常的に晒されている人種差別のリアルに、チームメイトとして団結して抗議しているっていうそういうことなんだと思う。
ま、上にも言いましたが、イギリスだけの問題ではないですけどね、日本でもありましたし。
でも結局は、FAも含めて、選手もサッカーファンもそうでない人たちも、何度でも皆で声をあげて正していくしかないんだと思う。
ちなみにこの文章、今勢いに任せてドバッと書いたので、イミフなところや固有名詞の間違いも多々あると思いますが、許してください。
しかし、私は本日月曜日は出社日じゃなかったのですが、今朝は職場が機能してなさそう。
イングランドの多くの企業と同様、うちの会社はドイツ戦の日は皆が試合を見られるように終業時間がいつもより早くなりましたし、月曜日はどうせ皆二日酔いでしょうから始業時間が遅いんですのよ。
それくらいサッカーに国中が熱いわけなんですけどね。
ちなみに、ロックダウン+新型コロナ対策で、いわば無菌状態で過ごしていた子供達が、規制緩和で急にあちこちお出かけして菌をもらってきているせいで、病院の小児科がパンクしている件。
うちの娘はこの度、突発性湿疹にかかりました(最近、家族の病気の記録みたいになっているこのブログ)。
息子の時は、私も夫も勿論初めての子育てですから、突発性湿疹というもの自体を知らなかったんですよね。
なので、突然エライ高熱でた上に湿疹でるわで、夫婦でびっくりして111(GP診察時間外の電話医療相談)に電話して、夜間診察の予約を取って慌てて連れて行ったものですが、今回はさすがに「あ、突発性湿疹(普通にviral infection)だ。」てな感じでございました。
まあ、熱の割には本人は元気ですが、いつにもまして感情的なので、家族全員、息子まで、娘に気を遣って生活しております。まさに泣く子と地頭には..ってやつ。
でもまあ、新型コロナでもなく、感染るような病気でもなくて良かったです。
夏休みまであと1週間ちょっと。
とにかく何事もなく過ごしたい。
相変わらず、周囲の学校では新型コロナが猛威を奮っているわけですが、息子の小学校では奇跡的になんとか自己隔離を免れております。
先週はスポーツデイでしたが、今年は観客ゼロという、東京オリンピックみたいな感じ(あれ?オリンピックは観客どうするかまだ決まっていないんでしたっけ?)で、家族の見学は不可でございました。
一部のママたちからは
「大人はパブに集ってサッカー見たり、EURO2020(ウェンブリースタジアム)だってあんなに観客が入ってるのに、子供のスポーツデイに親が行けないなんて!」
ってブーブー文句が出ていますが、正直、大半のママは
無事にスポーツデイまで漕ぎ着けて良かった!!
って感じ。
息子のクラス(最近写真をぼかすという技を手に入れました。ド真ん中で張り切っている赤いTシャツが息子でございます)。
で、明日は子供達が楽しみにしている行事の第二弾、遠足なんですよね。
お弁当持ってバスで1時間ちょっとかけて、動物園に行く予定です。
そして私はお弁当作りに飽き飽きしております。