つづき。
うちの息子ですが、初めて夜中に一回も起きないで朝まで寝たのは、なんと3歳半になってからでした。
朝までって言っても、夜の8時から8時間くらい続けて寝たってことなんですけど、そんなに続けて寝たの初めてですから、私も起きた時に頭がスッキリしてて、あまりの感激に、いろんな人に報告した記憶があります。
でも次の日は普通に夜中にまたおきましたけどね。
まあ、そんなわけでとにかく寝ない子だった息子ですが、そんなんも娘に比べたら全然マシだったよ!
もうとにかく、何度も同じ話してすみませんが、いまだに2時間おきに起きるんですよね~。
で、起きると絶対授乳しないと眠りに戻りませんの。もう癖になってるのですよね。
こっちは眠くて変な格好で添い乳してるから、四十肩になりそう!
昨日はさあ、こんなに寝ないのはやっぱり母乳だとお腹空いてるんかなあ、と思って寝床の横に粉ミルクを作る用のセット一式を置いて寝たんです。
で、夜中2時半過ぎに泣いて起こされた時に、あやしながらゴソゴソ粉ミルク作って人肌くらいのパーフェクトな暖かさにした、我ながら会心の出来のミルクを恭しく捧げ持って渡したらですよ、娘ったら星飛雄馬もびっくりの豪速球で、速攻、哺乳瓶を投げやがったんですよ。
夜中に自分で絵を描いてまで、伝えたいことかよ。
でも、本当にこういう風に、私の頭上を通って大きく弧を描いて部屋の端まで飛んでったん。
寝不足の弱った頭で、
あれ?今のは何?
一歳時があんな風に物を投げられるもの?
と思って、振り返ってもう一度確認しちゃった。紛れもなく、哺乳瓶が部屋の隅に転がっていましたよ。
しかも娘ったら、哺乳瓶を受け取ってから投げるまでの一連の動きが、何の淀みもなく凄いスムーズだったよね。流れるような動きでした。
まあ、私も文句を言いながらも、断乳も睡眠トレーニングもする気ないので、もうしばらくはどうしようもないですけど。
さて、そうそう、しょうもない嘘をつくパパ、の話です。
本当にどうでもいいような話なんで、これを読んでくださっている少数の方々は、心してオチなしに備えて頂けたら幸甚です。
息子の去年の同級生の女の子でSちゃん、という子がいます。
すっごく精神年齢が高いというか、賢い、行儀の良い女の子で、うちの息子のよなうなアホっぽいやんちゃな男の子には当然ながら、興味がないようですので、お互いずっと絡みがなかったのですが。
うちの子と誕生日がほぼ数日違いということがわかりまして、去年の息子の誕生日パーティをプランしている時に、日程を調整するために、お母さんと話す機会があったんですね(小学校の最初の年は特に、誕生日パーティにクラスの子をたくさん招きがちですので、誕生日の子供がたくさんいる月には日程が重ならないように誕生日が近いお子さんの保護者に一声かけておくのが望ましいのです。会場を抑えたりエンターテイナーを雇うのも結構大変なのに、予約しちゃってから日程がバッティングしていることが分かると、しんどいので)。
したら、すごく気さくで感じのいいお母さんなんですよ。
ただ、優秀な研究者としてバリバリとフルタイムで働いているお母さんなので(うちの夫と同じ大学です)、滅多に会わないんですね。
その代わりに、Sちゃんの送り迎えなどはパパさんがしていて、朝、息子を学校に送っていくときによく見かけたりしていました。
で、ある時学校の校庭から子供をピックアップした帰り道、相変わらずパパと歩いているSちゃんに鉢合わせしましたので、こんにちはー、と声をかけてちょっと話したんですけど。
「朝、よく会いますよね。
うち学区外だから、うちの方角から歩いてくる人あんまり会わないんですよ〜。
うちは##通りなんですけど、Sちゃんのおうちもその辺ですか?」
と言ったら、そのパパさん、ちょっと小馬鹿にしたように笑って
「いや、うちは**通りです」
と答えてきたんですけど、私、そこで、ん?となりましたの。
さて、以前にも言いましたが、息子の学校の学区はかなり地価の高い裕福な地区でございます。
そしてこれも前に言いましたが、うちは学区外からの通学なので、全く自慢ではございません。
つい最近まで、不動産バブルがすごかったイギリス。
世界金融危機の際に多少降下したものの比較的大した影響も受けずに立ち直り、手堅い投資として海外からの投資が相次いだため、不動産の値段が急上昇を続けました。
イギリス人は、子供ができたり、歳をとって引退したら、小綺麗な田舎(ただの田舎ではなく、歴史のある街並みのある小綺麗な田舎な)に引っ越すのがステータスですので(「田舎へ引っ越そう!」escape to the countryという長年やってる人気のテレビ番組のテーマですね)、田舎でも望ましいエリアだとロンドン並みに地価の高い場所がたくさんあります。
綺麗は綺麗だけど、田舎で病院だってロクにないコッツウォルズの地価が、バカみたいに高いのも、そのせいでございます。
そして、家そのものよりも、その家があるエリアの方が遥かに重要ですので(ロケーション、ロケーション、ロケーション、というテレビ番組もありますな。)、家がどれだけ素晴らしくて大きくても、望ましいエリアでなければそれほどの価格にはなりませんが、望ましいエリアだとフラットですら
こういう感じのお値段になリます。
で、話が逸れましたが、息子の学校の学区の中でも、ビクトリア時代の邸宅が立ち並ぶ、格別に地価の高いストリートで、ミリオンポンド ストリートと冗談で呼ばれたりもする一画があります。
100万ポンド、£1,000,000(=1億4千万くらい)を軽く超える不動産が並んでいることからきたあだ名ですが、外国人とか引っ越してきたばかりとかならともかく、この地区で住んでいる人で知らない人はいない、と言い切れます。
Sちゃんのパパさんが小馬鹿にした風に言った**通りとはこのミリオンポンド ストリートのことでございました。
私、一瞬、
ミリオンポンドの家に住んでるからって、感じ悪!
と思いましたが、顔には出さずに
「そうなんですね。」
って言った後に、ちょっと不思議に思って
「あれ?じゃあなんで朝こっちから来るんですか?
**通りだったら、そのまま**通りからきた方が学校に近くないですか?」
て聞いたんです。いや、確かに**通りから来れないこともないんですけど、学校とうちと**通りだと、トライアングルというか学校を頂点とする二等辺三角形っぽい配置になっているんで、何もわざわざこっちに来ないでもなあ、って感じだったんです。
そうしたらね、心持ち不機嫌な顔をされて
「**通りは曲がりくねっているから、距離的には長くなるんです」
ってイミフなことを言われたんですけど、なんか私もその頃には奥さんあんな感じいいのに、旦那さんちょっとうざいな、と思い始めていたので、そのまま何も考えずにバイバーイしたんですの。
つづく
→こんなオチ無しの話で、まさかの続き物。