(※若干の言い回しが変わっている部分があります)

 

 当 予算はオリンピック・パラリンピック関連予算、また市制50周年にかかる予算、毎年恒例のイベント行事の予算が例年通りの計上がされるなど、新型コロナウイルス感染症のある程度の収束を前提にした予算であるといえます。市の収束に向けた決意を感じますが、同時に時局はまだまだ厳しいのが現状です。

 

 追加議案で出されてきた補正予算で国の財源を活用しある程度の対応がされましたが、市内商工業等への支援がまだ追加・改善の余地があるという印象があります。今後も国の財源を活用するなどして、補正予算の適宜編成を求めます。

同時に市独自の施策を検討するためにも、適宜、感染状況を見ながら事業の見直しを求めます。特に五輪関係については、慎重な予算執行を求めます。

 

 行財政改革の視点では新しいゼロ予算の取り組みも多々導入されました。職員の皆さんによる創意工夫は大変評価されるものです。

今回、市税等の収納方法についても拡大が図られましたが、同時に一番コストがかからないのは口座振替です。そのことに変わりません。この視点に立って、口座振替率の向上に向けた取り組みの検討を求めます。

 

   まず補正予算の検討が必要であると思える点を申し上げます。

 ガーデンビーチの廃止議案が先ほど可決されましたが、跡地の活用の検討を行うためには必要に応じてしっかりとした積算、例えば更地にした場合の費用などの積算が必要と思われます。また市民からの意見を聞く場も必要ですが、そのための補正予算の検討を求めます。

 パークゴルフ場の整備が進められていますが、そもそも市民にパークゴルフを周知させる予算が計上されていません。パークゴルフ用の道具などの購入を含め検討が必要と思います。

 附属機関でのオンライン会議について。今回、地域公共交通議会などが緊急事態宣言の影響で延期になっていることなどが陳情審査で明らかになりましたが、今後の不測の事態に備え、オンラインを導入した取り組みに向け、必要な補正予算や条例改正を改めて求めます。

 放課後児童クラブの増設についても、国の補正予算等が活用できないか、検討を求めます。

 庁舎のあり方の検討がスタートしますが、しっかりとした議論を行うため、他自治体の視察等の必要があった場合は、対応できるよう予算措置を求めます。豊島区議会の議長経験者の方からいつでも見学にお越しをお待ちしております、との伝言をお預かりしています。

広報富士見で先行導入されたUDフォントについては高い評価を市民からもいただいています。必要に応じて、市民向けの文書等でさらに拡大ができるよう検討を求めます。

 そして国民生活が厳しい中、改めて特別職の報酬、市職員の給与等について、議論が必要です。また本年の人事院勧告で厳しい勧告が来ることが予想されますが、それらには真摯に対応されることを求めます。

 

 次に取り組みが必要だという点を申し上げます。

 今回、緑の散歩道関沢の用地買取の予算が計上されましたが、買取要求に対応する基準を明確にする必要があると言えます。特に今回の買取は、一歩間違うと誤解を受ける可能性もあるためです。明確な基準を求めることを求めます。

 今回もプロポーザルでの指定管理者選定がびん沼自然公園の運営で予定されています。昨年、針ヶ谷コミセンの選定では極端な配点が問題となりました。それらを踏まえて、対応策の方検討を求めます。

 針ヶ谷コミセンの指定管理料についてですが、従来の事業者よりも1000万円近くコストが高いことは昨年の議会でも指摘がありました。指定管理者制度移行前の針ヶ谷コミセンの決算が約2500万円だったことからも直営前よりも高くなっているとみることが出来るのが現状です。今後、自主事業が予定通りに行えなかった場合の積算の対応など適切に対応されるよう求めます。また5名の方は継続採用されたものの、希望された方全員ではない事も明らかになりました。この点は残念に思うことを申し添えます。

 会計年度任用職員については、予算で職員の定数等をコントロールする制度設計です。企業会計には人数が記されていますが、一般会計や特別会計では人数の記載がありません。今後、事前資料の中でわかる仕組みづくりをお願いします。

 

 続いて今後の予算編成と予算執行について申し上げます。

 現在、市が行っている都市計画道路などの道路整備、産業団地誘致などは市の活性化につながり、また雇用の創出にもつながります。コロナ禍で経済が冷え込む中、将来を見通した一定の開発は雇用の創出のためにも必要なことです。同時に新座市のように庁舎の建て替えや大規模公共事業の採択で市債の利息の支払いがかさんでいた中、コロナによる税収減で財政非常事態宣言に至った例もあります。新座市では市民サービスの大幅なカットを行っているわけですが、本市ではこうしたことがないよう、しっかりと財政規律との兼ね合いをしっかりと見ていただければと思います。

 また富士見橋通り線の工事が諸事情でストップしています。また市道5101号線など地権者との交渉に時間がかかっている道路整備を本市はいくつか抱えています。職員のマンパワーと今の富士見市の進めている開発が釣り合っているのか。そうした点も見ていく必要はあるのかなという印象を持っておりますことを指摘します。貫通しない道路をあちこちに増やしていては意味がありません。着実に遂行できる体制を求めます。

 富士見市は現在、大きなプロジェクトが複数進行中です。しかし、広報富士見でも予算の紹介に簡単に記載がある程度で、なかなか広く市民に周知されているとは言えない現状があります。この点については、改善の検討を求めます。

 

  最後に、今全国の基礎自治体に求められていることは何か。昨年も申し上げました。

 二度目の緊急事態宣言、そして二度の延長で国民生活が疲弊する中、いかに市民生活と市内経済を立て直すか、そしていかに雇用を失った方に再チャレンジの機会を創出するか。そして自粛、自粛で委縮するのではなく、コロナ禍で感染防止措置を取りながらいかに市内経済と消費を回していくための工夫。そして何より、コロナ禍で起因する雇用・経済や孤立の問題で命を落とす人を出さない事です。この視点に立って、予算執行と補正予算の適宜編成を求め賛成の討論とします。