日本国憲法第56条
 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。 
 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。 
 
 
 新型コロナウイルス問題では、国会の休会論や、重度の障碍をかかえる議員の欠席をめぐる議論がありました。
 憲法56条中の「出席」は「議員本人の出席」と解釈されています。
 株主総会やマンションの管理組合の総会のように、委任状での出席、文書での賛否表明は認められていません。また本会議が開かれている場所以外のところとネット回線でつないでの会議や投票も「出席議員の過半数」という規定が壁となってできない現状です。
 欧州で事例のある産休中の議員の代理議員制度なども、憲法上の課題があります。
 解釈変更で対応するという考えも一部にありますが、国会での議決結果が後でこうした点を理由に「無効」と言われる事態を防ぐためにも、この問題はしっかりと明文での改正する必要があるといえます。
(例えば出席を「参加」「法律の定める方法による参加」と改め、また憲法上に代理議員制度を明記する。)
 
 地方議会も同様。地方自治法改正の議論も必要です。地方議会は「与野党」(※本来は地方議会に存在しないはずですが)が一議席差という事例も珍しくありません。採決の日に体調不良の議員が無理して出席するという事態も想定されます。そうした際のリスクも今回より深刻になりました。それを考えると、しっかりとこの点は議論を深めるとともに、結論を出すべきです。