「人の価値とはその人が得たものではなく、与えたもので測られる」


アインシュタイン




「何、地獄と天国を知りたい?」


「ハイ」


神の前、コクンとミツルは頷いた。


「見せてあげよう!地獄の世界」


神が杖を天高く振り上げると


ボワン!


ここは地獄の吉野家


中央に超特大の牛丼


直径30メートルはあるどんぶりに


大勢のガリガリ亡者がたかってる。


持たされてるのは


1メートルはある長い箸!


肉をつまむが


箸が長くて


口まで上手に運べない


しまいに他人のを奪い殴り合い


から殺し合い…


神は言った


「これが地獄ぞ、目に焼き付けよ」


「…醜い」


次は天国へ連れて行こう!


ボワン!


これまた地獄と同じく


直径30メートルの特大牛のどんぶり


周りで静かに食事をする


穏やかな面々


やはり手に持つ1メートルの長い箸


「美味しいのお」


「誠に美味じゃ!」


その光景にミツルは目を丸くした


皆がみな、その長い箸を使って


どんぶりの向こうの人の


口に肉を運び


「次はあなたの番です。」


「お先にどうぞ」


人に与えることで満たされる


至福の光景が広がっていたのです。


神は言った


「ここだけの話、天国の肉は和牛なんじゃ」


「地獄はアメリカ牛?」


とミツルが問うた……


めでたしめでたし


原作稲盛和夫「生き方」p176より




「幸福は香水のようなものである

人に振りかけると自分にも必ずかかる」


ラルフ・ワルド・エマーソン



「幸せを増やす唯一の方法はそれを分け与えることだ」


ポールシーラー



「たくさん持っている人が豊かなのではなくたくさん与える人が豊かなのだ」


エーリッヒ・フロム