真夜中の熱田神宮


裸足でお百度参りをする青年、たけし


今日が初日


行ってパンパン!


頭を下げて


戻ってカウント、○回目


踵を返すの繰り返し…


「あ、痛い!」


足の裏から血が出ています。


尖った石を踏んだ


「これじゃあ、走れない今日は断念しよう」


二日目


突然、雨が降って来た!


「これじゃあ濡れちゃう、今日は無理だ」


三日目


通行人に声かけられた


「お兄さん、お百度参り?」


「そう!」


「最中に口きいたら無効だよ」


「しまった!」


四日目は神社への途中で腹痛


五日目に財布を落し


六日目は自転車がパンク…


こんな調子の連続で


一度もお百度成就しません…


そして101日目


「今日こそは、」


と挑んだものの


99走目で足がつって転んでしまいます。


「なんて俺は駄目な男だ!」


何をやっても続かない…


うまくいかない


神様なんているわけない!


もう、信仰なんてやめたろう!


その時目の前に熱田の大神様が現れ…


「良いか。神や仏は何事かを成した人を愛するのではない、何事かを成そうと努める者、だが成そうとして成せない…

己の力の至らなさ

悩み苦しみ涙を飲んで

それでも

また、明日から成そうと努める

そのような者こそ尊いもの、

神は愛でて止まぬものと知りなさい」


もちろんこの後の結末は言うまでもなく


お百度参りを成就したとさ


めでたしめでたし




原作稲盛和夫「生き方」p231より





https://youtu.be/Q9qAyt0G-jM?si=BuRz941wmeKP0XJ_