(朝鮮日報日本語版) 「独島めぐる運動は論理の戦い、興奮した方が負け」 | 竹島問題とは?

竹島問題とは?

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竹島問題について、韓国側の主張は正当性があるのでしょうか?

 「独島(日本名:竹島)守護活動」で知られる歌手キム・ジャンフンさんとのインタビューは3時間半以上に及んだ。一つ質問をすると、次の質問をするのが難しくなるほど、休みなく熱弁を振るった。キムさんは「独島の日」の先月25日から、独島を守るための「100億ウォン(約9億2300万円)国民募金運動」に乗り出した。今月18日から24日にかけては、米国ニューヨークのソーホー地区のグリーン・ストリート131番地にあるギャラリーで「独島アートショー」を行う予定だ。

 現在、韓国での独島に関する市民運動では「キム・ジャンフン」という名前が占める割合が高い。だが「果たして、あのようなやり方の運動が最善と言えるのか」という意見も少なくない。国民の興奮をあおるだけというわけだ。記者はまず、これについて質問した。

―すでに韓国の主権が及んでいる独島について、たびたび外国でアピールすること自体が、国際的に「韓日両国間の紛争地域」であるかのような認識を与え、逆効果になっているのではないか。それはまさに日本が望んでいることではないか。

 「何を言うんだ。私が1000回広告を出しても、大統領(李明博〈イ・ミョンバク〉前大統領)は独島にたった1回行っただけではないか。私よりもまず、効果的な対処ができない政府の方を先に批判すべきではないか。韓国政府は『静かな外交』を口にしているが、実際にそれを実行したことはない。私が『独島は韓国の領土だ』として、領土問題を直截(ちょくせつ)的に主張したのは、2008年に(米紙)ニューヨーク・タイムズに初めて広告を出したときだけだ。その後は『韓国に独島という美しい島がある。ぜひ遊びに来てほしい』といった広告を出している」

―そうだとしても、結局は同じ効果をもたらすと思うが。

 「政府が『静かな外交』を繰り広げるのは正しいことだ。だが、民間レベルではとても細かく、そして粘り強く、独島に関する教育や運動を繰り広げるべきだ。考えてみてほしい。われわれが手をこまねいているうちに、世界中の文書やウェブサイトで『独島』『東海』という表記を『竹島』『日本海』に改めている。例えば誰かが『キム・ジャンフンは悪いやつだ』と執拗(しつよう)に騒ぎ立てたとしよう。それを黙って見ていろというのか。少なくともほかの人には『私がなぜ悪い人ではないのか』ということを説明すべきだろう」

―日本の右傾化の流れに火を付けたという指摘もある。昨年、独島への遠泳イベントに参加した俳優ソン・イルグクは日本への入国を拒否された。

 「嫌韓デモが起こるからといって、韓国のアイドルが日本で活動できないわけではない。ソン・イルグク事件は、日本がどれだけあきれるようなことを行ったのか、自ら世界に知らしめたようなものだ。結果的には韓国にとって有利になった」

―あのような方法が、独島に対する日本の挑発を抑える上で効果があると信じているのか。

 「独島をPRするため、『truth of dokdo(独島の真実)』というサイトを開設した。日本の教師たちのアクセスが多いが、彼らが『独島は韓国の領土だ』と声を上げている。VANK(サイバー民間外交使節団)と共に運動を繰り広げてきて、『東海』と表記する比率はこの10年で3%から30%に上昇した。私はアピールするだけだと思っているようだが、多くの資料も集めた。そうしてこそ論理を積み上げ、『表記を改めてほしい』と要望する根拠も生まれるのではないか。ただ『変えてほしい』といったところで、誰が変えてくれるのか」
―韓国国内ではどんな効果を期待しているのか。

 「『独島がなぜ韓国の領土なのか』と誰かが尋ねたとき、どう答えるのか。ただ『わが国の領土だ』というだけで、論理的な根拠を示せる人がどれだけいるのか。全国民が論理的に武装する必要がある。大事なことは、これが韓国と日本の争いではないということだ。どちらが国際社会の第三者を十分に説得できるかという戦いだ。ちょっと考えてみよう。1905年、日本の島根県が独島を編入したのは、韓国の外交権を奪う直前に行われた侵略の一つではないか。こういったことを十分に指摘しなければならない。この戦いでは、興奮したり、悪口を浴びせたりした方が必ず負ける」

―100億ウォンも集める理由は何か。

 「いつも考えているのは『金さえあればもっと支援できるのに』ということだ(キムさんはすでに、独島のアピールに多額の私財を投じている)。世界有数のメディアに、より洗練された広告を出すことができ、『truth of dokdo』のアクセス数をより増やすこともできる。独島でイベントを行う回数も増える。やるべきことは本当に多い」

―最近、教育部(省に相当)は「独島の実効支配」と表記した韓国史教科書に対し削除を勧告した。わが国の領土なのに『実効支配』という言葉を使う理由がないというわけだ。
 「当然じゃないか。本当に実効支配を強化するのなら、そのような言葉をなぜ使うのか。よい方法が一つある。われわれが常に独島に遊びに行けばいいんだ。フットサル大会を開催したり、足球(韓国独自の足で行うバレーボールに似た球技)大会を開催したり。独島を済州島のようにするということだ。それは難しいことじゃないだろう」

―日本では「反日の人物」と見なされ、コンサートも中止になったが。

 「脅迫もかなりあった。しかし、私は反日主義者ではない。日本が誤った行動を取ることを望んでいない。日本人に会ったらこう言う。『やあみんな、過去の歴史は反省して前に進もうじゃないか』と。口の中のとげをまず抜いて、手を取り合って世界に出ていこうというのが願いだ」

―なぜそれほどまで独島に「執着」するのか。

 「2003年にパニック障害を経験して、私は一度死んだ。生き返って、これからはやりがいのあることをやっていこう、と考えた。その後、独島にすっかりはまった。なぜ独島なのか、それは自分にもよく分からない。韓国人だからということしか答えられない」
(この記事は韓国・北朝鮮(朝鮮日報日本語版)から引用させて頂きました)

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