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今日は、専門家がやっている遺言書の作り方を教えます
遺言書には「自筆」と「公正証書」がありますが、今回は「自筆」に関してです
一般的によく言われている、全文を自書し、署名し、押印し、日付を書く等というのは触れません。
できるだけ、あまり「出回っていない知識」を書いていきます
自筆証書遺言の法務局での保管
・3900円で法務局で自筆証書遺言を預かってもらえます。が、預かってもらうには少しややこしい規定があって、それに従って書かれている必要があります
用紙はA4サイズで、上に余白5ミリ、下に余白10ミリ、右に余白5ミリ、左に余白20ミリが必要です。
自筆証書に押す印鑑はスタンプ印はNGです。認印ならば100均のでもokです
両面印刷したものは受け付けてもらえません、裏面に記載があると、長期間保存の際に貼りついてしまう場合があるからです
遺言書にあわせて、財産目録も保管してもらえます。財産目録も余白が必要です
財産目録は
預金口座などは通帳見開きをコピーしたものを添付します。
不動産などは登記事項証明書をコピーしたものでもよいです。
ワードなどで作成した場合は、書面ごとに署名と押印が必要です。遺言書の印鑑と同じ印鑑を押しておくのが一般的です。
もっとたくさん規定がありますが、法務局のホームページに詳細がありますから、そちらを参照してください。
遺言内容の書き方
・第〇条
という形で書いていきます。人名を書く場合にはその人との間柄やその人の生年月日なども記載します。
誰が見てもわかるように書けばよいです
たとえば、十六銀行の私の口座預金を息子に相続させるとだけ書いても、他の人が見たらわかりません。十六銀行○○支店、普通口座 番号○○…名義人○○の自分の口座をと、具体的に書きます。
不動産についても同じです、何町何丁目のどこの地番なのかを書き、土地の種別(畑か宅地か雑種か)、地積などを書きます。表題登記の通りに書けばよいです。
それを、どうしたいのか?ということです
価値のある骨とう品や盆栽などを相続させたいとき
どの品なのかがはっきりわかるように書きます。
絵画・書画・壺・皿
縦幅、横幅のセンチメートル
作品名がある場合はその名と作者名
制作年月日などです
盆栽などは以下の記載をしておきます
樹種、樹形、銘、寸法(奥行、幅、高さ)など
家電品や高級家具などは、製造番号や製造会社名なども記載してください
貴金属などは、宝石の種別、型番、サイズ、素材、等級なども記載します。鑑定書があれば鑑定書に書いてある通りに書けばよいです
自動車や船を遺言に書きたい場合は、メーカー名、型番、ナンバーなどを書きます。自動車登録証に書いてある表示通りに書けばいいです。
基本的に、建設機や船舶なども、登録されている番号などを記載すればよいです。書きすぎてダメということはないので、わからなければ登録証や製造証などを丸写しでよいです。
動物などもそうですね。血統書付きとかは、血統書に書いてある通りのことを書いておけばいいです。血統書が無い場合は、特徴などとにかく分かりやすく書きます。
遺言を見た人が「いったい、どの物のことを言っているんだ?」とならないように書けばいいのです
車を複数持っている場合は、どの車か分かりませんよね?でも、自動車登録証通りにかけば、その1台しかないのでわかりやすいわけです
遺言書
第1条 以下の盆栽は友人○○(連絡先)に遺贈する
樹種、樹形、銘、寸法
第2条 以下の自動車は次男○○(年月日出生)に遺贈する
車名、型式、登録番号、車体番号
などとします
生前贈与をしてある場合
第3条
以下の通りに、長女○○に生前贈与したので、本遺言において長女に遺産を相続させることは希望しない。また、長女は他の相続人に対し遺留分減殺請求などを行わず、兄妹仲良く分け合うことを願うものである
・〇年〇月〇日贈与
・○○の土地、建物
・○○の口座より金○○万円
などとします、兄妹仲良くしなさいという一文に法的効力はありませんが、親父は自分たちの事を心配してくれてたんだなと、子供たちにわからせるためにも書いておいて構いません
SNSアカウントについての遺言
遺言者が利用していた、フェイスブック、アメーバブログのアカウントの削除は長男が行う。
フェイスブックの追悼アカウントへの変更は相続人代表者が行う
とすることもできます
予備的遺言
なんらかの事情により、遺言の一部が果たされない場合に代わりの案を書くことです
第5条 不動産は妻が相続するものとする
第6条 万が一、相続開始前に妻が死亡した場合は、孫○○に不動産を遺贈する
などと記載します
不動産や人物名の書き方は上記参照してください。
遺言にあわせて決めておきたいこと
死後事務委任
死後の財産の処分や葬儀の方法などを決めておきます。相続人が近くにいればよいですが、遠方にいる場合はすぐに対応できません。そこで、行政書士などの専門家に以下の事項を依頼しておくことができます
・葬儀に関すること
・日常品や身の回りの物品についての処分
・退院、老人ホームの退所手続き
・死亡届などの提出
などです。参考になさってください
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最近、ブログに書く内容が濃くなってきたなぁ…と思っています
予備的遺言の書き方や、盆栽の遺贈、生前贈与に関する遺言の意思表示なんて、他のブログで扱わないもんね…
我々行政書士も、いざ遺言作成の依頼を受けたときは、依頼主の考えをしっかり聴取し、判例やそれに応じた遺言書のひな型などを当たり作成します。
1日、2日で作れる内容のものもあれば、1週間くらいかかるものもあります。なので、遺言書作成依頼の報酬額は、かなりの差が生じますことをご理解ください。