ERPのグローバルロールアウトのプロジェクトからようやくリリースとなり、今週は一週間休みをとっていました。プロジェクトの間は、いつもならどこか旅行に行きたくなるのですが、今回は家でゆっくり過ごそうと思い久しぶりに時間を気にせず読書に没頭していました。。。あとは飲みかな笑
- 撤退の研究―時機を得た戦略の転換/森田 松太郎
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少し前から読み始めてはいたのですが、ようやく読み終わりました。
日本の戦国時代の話から日露戦争・第二次世界大戦における、撤退の歴史と、現代の日産・ブラザー工業・カネボウ等の経営戦略・事業戦略上これまでに行った判断を比較しながら話は展開されていきます。
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クラウゼヴィッツの戦争論より
「戦争をどのような状態で終結させるかという戦争構想が無く、戦争を開始するものはいない。」
<大東亜戦争とダイエーから得られる教訓>
・客観的な事実を正しく把握し、その事実を隠すことなく透明性を保つこと。
<日露戦争と松下電器から得られる教訓>
・会社の実情を掴むには素直な目が必要です。我々が見ているものは脳で判断しているので、先入観のある頭脳で判断していては先入観に左右され実態が見えない。
明治の軍人政治家と昭和の軍人政治家を比較すると、素直な目の違いが際立っている。また、成功して発展している会社と倒産に追い込まれている会社を見ると、やはり会社の実情を曲げて解釈している経営者のいる会社は業績を悪くしています。リーダーの資質、考え方とその根底にある哲学の違いが、会社の運勢の明暗を分けています。
<信長の金ヶ崎の撤退と日産の再起から得られる教訓>
・信長とゴーン。両者ともに、それまでの経緯とか感情に左右されず、与えられている環境と条件を冷静にみて合理的な判断を行い、その場面で最善と考えられる方針を決断し、迅速に実行に移し苦境からの脱出を成功裡に行ったところに特色があります。
苦境における判断は、迷いが多く誰かに相談したくなるもの。相談しても決定するのは本人ですからいたずらに時間が過ぎ、タイミングを失う例が多々あります。大切なのは本人の人生観というか哲学である。
<第一次大戦で敗北したドイツとノキアの事業転換から得られる教訓>
・第一次世界大戦で英仏軍の新兵器・戦車の投入により敗北を余儀なくされたドイツ軍は、戦後に敗北の原因を真摯かつ深刻に究明し、試行錯誤を繰り返しながら戦車運用を研究した。地理的に短期決戦が宿命となる点もあり、戦車の戦力としての有用性にいち早く目を付けたヒトラーの先見性が第二次世界大戦当初におけるドイツの電撃戦を成功させている。
・フィンランドの企業ノキアも設立当時はフィンランドの地勢から、木材・ゴム・重電などを生産している会社であった。しからオリラ氏が社長に就任後、将来性に目を付け、会社の主たる事業を移動電話機に特化し、今の成功の土台をつくりあげた。
いずれにせよ、将来に対する洞察力、先見力にすぐれ、それに基づいた決断の勝利といえる。
<キスカ島からの撤収作戦、ブラザー工業の事業転換から得られる教訓>
・現在おかれている立場と将来への展望、洞察力が科学的かつ合理的に裏打ちされ冷静に判断しているところが、置かれている立場を好転させ事業の撤収を成功させ次の展開に繋げているキーである。
<日本陸軍とカネボウの秘密主義から得られる教訓>
・当時の日本陸軍は陸軍にとって不利・不名誉なこと、失敗したことは戦史書に記述されませんでした。日露戦史に関する小沼少佐の貴重な研究、警告は不利な・不名誉なこととして公表を禁止されました。
仮に事実の分析を行い、後日の作戦にいかしていたら、その後の戦争に対する姿勢態度は変わっていたかもしれません。あるいは戦争を避けることができたかも知れないと死児の歳を数えたくなる。
カネボウも同様に事実を隠すためのウソを重ね、現場・現物・現実という三現主義から目をそらし粉飾決算という麻薬につぶされた企業といえるでしょう。
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ちょっと三現主義にならい、今回のプロジェクトの反省をしっかりして今の自分と、今後自分がやりたいポジション(仕事)の差を埋めるためにどういう努力が必要かを考えるようにしたいと思います。