シカゴからの帰りにハワイに立ち寄り、無事に日本へ帰国してきました。
一人でのハワイの思い出は後ほどUPします。
とりあえず長ーい飛行機の中の時間を使って読んだ本の感想を忘れないうちに。
- 経営の未来/ゲイリー ハメル
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-本文より-----------------
近代経営管理は、その発展の過程で多くの難しい問題をねじ伏せてきた。多くの複雑な作業を細かい反復可能な作業へ分解し、作業を標準化し、多くの人により大量の製品を生産できる仕組みをつくりあげてきた。
しかしこの発展と引き換えに多くのものを奪ってきた。一番の代償として「人間の想像力」があげられる。この組織としての想像力の低下が、組織としての適応力に制限をかけてしまっている。
これからは、人間の想像力を抑圧せずに厳しいコスト管理を行う術を学ぶ必要があり、規律と自由がお互いに排斥し合う関係ではない組織を築く方法を学ばなければならない。
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ざっくりいうとこういった経営管理が成熟してきた現代における、あらたな問題点に関してまとめてある。
ドイツの著名な社会学者、マックス・ウェーバーは官僚型組織を社会組織の頂点とみなしており、以下を理想の組織として上げている。
・組織のあらゆるメンバーに関して、業務範囲と責任範囲が明確に規定されている。
・ポジションは階層型に構成され、権限の序列が築かれている。
・メンバーはその専門的能力または学歴によってポジションに選任される。
・経営管理者は企業の所有者のために働くが、自身は主要な所有者ではない。
・組織のすべての人間が、各自の職務に関連した厳しいルールと管理に縛られている。ルールは客観的で、一律に適用される。
まさに、一昔いや今でも日本にもこのような多階層の役職、学歴重視の企業はたくさん存在する。そしてその企業の多くはこれまで十分に組織として成り立っていた。
では、どの企業も以上のポイントを押さえた組織をつくれば成功するのではないのかと言いたいところですが、20世紀の企業で最も安定した成功をおさめてきている企業を分析した時に以下の共通点があげられるとのこと。
・科学を管理する
⇒特許をうみだすような仕組み・組織を保持している。
・資本を配分する
⇒投資収益率の数値を管理する。
・無形資産を管理する
⇒ブランド・マネジメントにより地位を確立することで、売上へ直結。
・すべての社員の知恵を利用する
⇒効率と品質のたゆみない追求に社員を参加させる
・グローバルなコンソーシアムを築く
⇒多くのインフラや規格については協力し合うが、顧客をめぐっては競争できる組織をつくること
この条件を全て満たす事ができる企業はほんの一握りだと思うが、この点を意識した組織作りをしていくことは可能であるため、ベクトルの向きは合わせたい。
そして、今までの経営管理の手法で失われてきつつある「想像力」を組織として持つ・高めるためには、社員一人一人の質を高める必要がある。そしてこの本では、一番重要な点である競争での勝利に貢献する人間の能力を以下のように纏めている。
①従順さ(指示やルールに従う能力)
⇒これはベースライン⇒できてあたりまえ。
②勤勉さ
⇒勤勉な社員はまじめで信頼できる。
③知識と知性
⇒ほとんどの企業が知的能力の高い社員を求め、自分のスキルを積極的に高め、他の人のベストプラクティスを進んで取り入れる頭のいい人間を高く評価する。
④自発性
⇒指示がなくても自分から行動する。新しい挑戦を求め、価値を加える新しい方法を常に探し求める。
⑤創造の才
⇒探究心が旺盛で、好奇心を抑えられない。ばかげたことを口にするのを恐れない。
⑥情熱
⇒意図を達成に変える秘密のソース。情熱のある人は障害を乗り越え、決して諦めない。そして情熱は伝染力を持ち一人の人間の戦いを大規模な運動に変える!
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イギリスの作家、E・M・フォースター
「情熱のある一人は、関心があるだけの40人より望ましい」
うん。納得。
これらの要素を育てるもしくは発生させる環境を用意してあげることが経営する側が考えるべき点なのかな。
①⇒⑥の順番で競争優位性を高く保持ために必要な要素となる。
自分としても常に目の前の仕事に⑥が注げるような環境づくりを普段から意識していきたい。周りを巻き込んで得る成功は最も気持ちいいものである。
そしてこの情熱をどうやって持ち続けるか。
ここ重要ですよね。
例えばグーグルのとある社員より
「世界中の人々をより物知りにし、より賢くすること、つまり世界の知力を高めること・・・」
大きな話である。
ただ、こういった大きな目標を持つことも情熱をキープするひとつのかたちなのかなと。
根本的な事ですが、久し振りに働くことに関して考えたいい本でした。
(メインは経営管理のメソッドですが、まあ捉え方は自由ですからね。)


