この2本は日本を代表する70年代のギターだが


メーカーが違うと言うことはあっても共通する部分があって


見た感じは兄弟機のようだ。






右上がりの書体。


当時の日本のギターには珍しいヘッドロゴなのだが


今見てもとてもかっこいい。


70年代の流行はマーチンの縦ロゴを真似したヘッドが人気があったのだろう。


私も縦ロゴに憧れた一人だった。






この2本の特徴として塗装がオイルフィニッシュであるという事が


当時の物とは違う。


これは当時私の知らない事だったのだが塗装の薄さがギターの鳴りに


とても影響することなのだ。


当時の塗装はポリが主流でごく一部にラッカー塗装のものが存在した。


この塗装はいったいどこから来たものなのかが分からない。


ブルーベルでもW-2000にしかこの塗装が存在しないと言う事が後の


BGシリーズに影響したのだろうか?





今回この2本をいろいろ見比べてみて分かったことを紹介しましょう。


まず各部分を計測して分かったことは下部の胴部分と括れ部分は同じで


上部の胴部分はBGの方が6mm大きい。


スケールは同じなのだがサウンドホール位置が違う。


BGの方が5mm上に上がっている。


これが音に影響しているとは思わないが


元のマーチンの形からは違っているように感じる。


W-2000はヘッドの形状も含めて当時の70年代マーチンを


忠実にコピーしている様に思う。


ブレーシングは私がサウンドホールから手を入れて触ってみた感じでは


2本ともノンスキャロップでした。


トップの材の違いと厚さは違う。


この2本はマーチンの18と28と言う根本の違いがあるので


音の傾向が違うのは当たり前の話なのだがそこにそれぞれの魅力を感じる。


私もマーチンに憧れて今まで各年代の18,28をいろいろ弾いてきたが


この2本はかなり本家の18,28に引けを取らない鳴りをする。


そこに当時のこのギターを作った職人の意気込みを感じる。


私も職人の端くれとして良いものを作ろうとする気持ちは充分に伝わる。


この情報の無い時代にこれほどのギターが出来た事が素晴らしいことなのだ。


今それを弾けることの幸せを感じる。