昨夜、韓国ソウルから三泊四日の旅を終え、日本へ帰国した。順調に日程をこなした旅だったが、帰国に際してアクシデントに見舞われた。帰りの飛行機に乗るために移動する時間を誤り、仁川空港への到着がギリギリになってしまったのである。結果、わたしと旅の同行者たちは、東京行きの飛行機に乗り遅れるという事態に陥った。


旅にアクシデントはつきものであるが、こういうアクシデントに見舞われた時にその人が普段見せない一面が露わになる。わたしを含めた四人の人々も、こういう局面においてそれぞれにそれぞれのキャラクターを垣間見せることになった。わたしはどうなるかと言うと、自分にも責任の一端があるにも関わらずいつものようにヘラヘラしているだけである。そもそもこのツアーにおける事務手続きはすべて人任せで、大人に引率された子供みたいなポジションにいたせいもあるが、まったく役に立たないことが証明された。


自分の行動力のなさに恥じ入る気持ちもあるが、だからと言ってわたしの性格をすぐに変えることもできない。わたしは幸か不幸か今までそのように生きてきてしまったのである。この小さなアクシデントにはわたしの人生が集約されている。わたしは帰国の飛行機に乗り遅れるというアクシデントに直面して、自らの人生を省みることになった。


映画には「ロードムービー」と呼ばれるジャンルがある。主人公が旅をして、そこで起こる様々なアクシデントを描くような内容の映画である。「スケアクロウ」(1970年)や「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)や「テルマ&ルイーズ」(1991年)などがそれに当たる。どれもこれも面白い映画だが、このような映画が一つのジャンルとして確立したのも、上記のように旅には人間の人生を象徴的に描く契機に満ちているからだと思う。


そうそう、ジャック・レモン主演の「おかしな夫婦」(1970年)は、とある夫婦の悪夢のような旅をコミカルに描いた映画だった。同時にハリソン・フォード主演の「フランティック」(1988年)のような怖い映画もある。旅は描きようによってコメディにもなるしスリラーにもなる。


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