11月にサンモールスタジオでISAWO BOOKSTOREの新作舞台「ジキルの告ー大学助教授教え子殺人事件ー」を上演する。公演はまだ先のことだが、この数日、その公演のチラシのデザインに関して、デザイナーのKさんと打ち合わせして過ごした。と言ってもKさんは地方在住のデザイナーなので、やり取りはもっぱらインターネット上で行う。今日は、その製作の過程をご紹介する。せっかくデザインしてもらったのにボツにしてしまうのももったいないと思ったからである。


●第一案


本作の主人公である田島亮さんと月岡鈴さんの顔写真を使ってデザインしてほしいというわたしのオファーに応えて作ってもらったもの。これはこれで一つの作品であるが、わたしのイメージとは違うので、別案を要望した。

●第二案

二人の役者さんに加え、重要な役をやってもらう杉浦一輝さんを登場させ、さらに劇の背景となる海に面した断崖を盛り込んでもらったもの。タイトルのフォント(字体)もわたしの指定だが、どうも印象が「飢餓海峡」や「砂の器」のようで却下。

●第三案

断崖を削除し、顔をメインにしてもらい、「選ぶべきは、告発か、隠蔽か?」というキャッチコピーを入れてもらった。さらに劇の中で被害者を暗示する赤いハイヒールをデザインに取り入れてもらい、。タイトルフォントも第一案のものに戻した。

●決定案

こうして完成したのが決定案である。間もなく公開する予定だが、まだお見せしない。こういう作業を経て感じるのは、よい公演チラシのデザインは、その芝居の内容をきちんと語ることができるということである。人物の位置関係や大きさ、色合い、描かれたオブジェや背景は、芝居の内容をよく暗示するから。