この季節になると、1985年の夏に起こった日航123便墜落事故の話題を目にすることが多くなるせいか、しばしば飛行機墜落にまつわる空想をする。今日は、わたしがかつて見た「飛行機墜落映画」についての所感を述べる。


●「大空港」(1970年)

この映画を初めて見たのはテレビの洋画劇場だった。アーサー・ヘイリーの原作は、本来「The Airport」(空港)であるが、「大空港」がしっくりくる力作である。本作を通して「飛行中の旅客機の胴体に穴が開く」という事態を目の当たりにして、幼いわたしは大きな恐怖心を抱いた。

●「エアポート’75」(1974年)

初めて映画館で見た航空パニック映画。「大空港」同様、旅客機が墜落の危機に陥る状況に創意を感じる一作である。すなわち、飛行中の小型飛行機の操縦士が心臓発作により絶命し、旅客機の操縦席に激突するという事態である。

●「生きてこそ」(1993年)

1972年に起こった「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」を扱った映画。本作における飛行機事故は発端であり、メインは72日間に及ぶ雪山でのサバイバル生活だが、墜落場面における破壊された機体から乗客が座席ごと機外へ飛ばされる場面が怖かった。

●「ユナイテッド93」(2006年)

2001年に起こったアメリカ同時多発テロにおいて、唯一テロリストたちの凶行を阻止した旅客機を舞台にした実録ドラマ。ポール・グリーングラス監督によるドキュメンタリーのような作りの画面の迫真力でぐいぐいと見せる。最終的に飛行機は墜落してしまうが、映画が終わると、その恐怖の余韻が深く心に残る。

●「フライト」(2010年)

本作は、映画の冒頭に旅客機の墜落事故が描かれ、後にその事故の原因究明の検証ドラマになる。見た目が派手な墜落場面とじわじわと迫る検証場面がうまく両立していて面白い映画だった。主人公のパイロットを演じているのはデンゼル・ワシントンである。

●「ハドソン川の奇跡」(2016年)

実話を元にした人間ドラマ。趣向は前記の「フライト」に似ている。本作で描かれる事故原因は、「バードストライク」によるものである。「バードストライク」とは、飛来する鳥の群れなどをエンジンが巻き込み、機能を破壊してしまうことをいう。直訳すると「鳥激突」である。


このように書き出してみて、墜落の恐怖を一番リアルに描いているのは「ユナイテッド93」であるという結論に達した。


*「ユナイテッド93」の一場面。(「Y!映画」より)