昨日、4月1日をさかいに法律上の成人年齢が男女ともに従来の20歳から18歳に引き下げられた。明治時代以来、実に約140年ぶりの改正だというのだから驚きである。成人年齢が低くなるのは世界的な傾向であるらしいが、まあ、情報が簡単に手に入るインターネット全盛の現代、昔より断然、少年・少女は「大人になる」のも早いということかもしれない。新成人は、民法上の権利は従来より拡大するが、飲酒・喫煙、ギャンブルは従来通り20歳からでないとしてはならないということである。


犯罪愛好家のわたしが最も気になっていたのは、刑事事件の被疑者になった場合の新成人の扱い方で、同じ日に少年法も改正された。概要は以下の通りである。


《 4月1日に成人年齢が18歳に引き下げられるのに合わせ、改正少年法も施行されます。 18歳と19歳を「特定少年」と位置付け、引き続き保護の対象とする一方、家庭裁判所から検察官に逆送致する事件の対象が拡大されます。 殺人や傷害致死など故意に人を死亡させた罪に限られていたのが、「法定刑の下限が1年以上の懲役・禁錮の罪」も対象となり、強盗や強制性交、放火などが含まれます。 特定少年が正式に起訴された場合には公開の法廷で裁判を受けることになり、実名報道が可能となります》


つまり、殺人のような重大事件でなくても、被疑者の氏名が「少年A」ではなく実名で報道されるようになるということである。まあ、成人年齢を下げたわけだから、それに準じて二十歳になっていない人間でも社会的な責任を問われるようになったということである。義務と権利は常にワンセットになっているわけだから、当然と言えば当然なのだが、わたしは今までずっと「成人は20歳」の世の中を生きてきたので、その認識を改めるのにはちょっと時間がかかりそうである。


翻って、当の18歳の新成人たちは、この改正を受け入れて「やったぜ!」と喜んでいるのだろうか? それとも、「勝手に無責任時代を短縮しないでくれ!」と嘆いているのだろうか?


*18歳の男女。(「パブリックドメインQ」より)