韓国製の法廷サスペンス・ドラマ「ある日~真実のベール」全話を視聴中なのだが、ある回の劇中で「正義の女神」についてのやり取りがあった。わたしたち日本人には今一つ馴染みが薄いと思うが、アナタは「正義の女神」のイメージを持っているだろうか? 


●テミス像

正義の女神の姿は、司法、裁判の公正さを表す象徴、シンボルとして、古来より裁判所や法律事務所など、司法関係機関に飾る彫刻や塑像、絵画の題材として扱われてきた。現在は目隠しをした像が主流であるが、目隠しがないものも多い。弁護士バッジにも女神の天秤が描かれている。(中略)彼女が手に持つ天秤は正邪を測る「正義」を、剣は「力」を象徴し、「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」に過ぎず、正義と力が法の両輪であることを表している。目隠しは彼女が前に立つ者の顔を見ないことを示し、法は貧富や権力の有無に関わらず、万人に等しく適用されるという「法の下の平等」の法理念を表す。 (「Wikipedia」より)


*テミス像。(「価格.com」より)

上記のような意味をわたしはまったく知らなかったが、キアヌ・リーブスが弁護士を演じる「砂上の法廷」(2016年)のDVDのジャケットに正義の女神=テミス像が描かれていた。また、メル・ギブソン主演の誘拐サスペンス映画「身代金」(1996年)のオープニングで、さらわれる子供が遊ぶ公園にテミス像の彫像があり、それがさりげなく映るのを記憶している。


それにしても「法と正義」というような抽象的な概念をこのような形でビジュアルにした人は知恵があると唸らされる。かつて沢田研二は「片手にピストル、片手に花束~」と歌っていたが、「片手に天秤、片手に剣」を持ち、その女神が目隠しをしているというのは工夫があるではないか! こういう造形を通して、「法とは正義と力の両輪で成り立つ」という真実を表現しているなら、これはすでに芸術である。